飲酒運転の厳罰化と「飲酒の強要」の罰金|ベトナムの居酒屋はどう売り方を変えるべきか – ベトナム進出支援・飲食店開業・出店ならグローカルコネクション
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2026.10.09
飲酒運転の厳罰化と「飲酒の強要」の罰金|ベトナムの居酒屋はどう売り方を変えるべきか
フードコネクションベトナムディレクターの林です。2014年にベトナムに渡り、現在、ベトナム・ホーチミンを拠点に、飲食店様のホームページ制作・広告ディレクションや海外進出支援に携わっており、長年のホーチミン生活で培ったリアルな視点から、現地の気づきを発信していきます。
ベトナムでは、食事や職場の会食でビールを中心にお酒が出る場面が多く、ベトナム進出を考える飲食店オーナーの方から「居酒屋業態は相性が良さそう」という声をよく聞きます。
一方で、飲み方を取り巻くルールはここ数年で大きく変わりました。運転する人は少量の飲酒でも違反となり得る「ゼロ基準」が続き、2025年からは罰則の仕組みも見直されました。お酒を無理に飲ませる行為(飲酒の強要)への罰金は2020年から定められており、2026年5月に施行された新しい政令にも引き継がれています。
飲酒運転の規制から直接言えるのは、「お酒を飲むお客様は、帰り方まで考えて来店する必要がある」ということです。本記事では、規制の中身と、お店側が検討できる打ち手を「検証すべき選択肢」として整理します。
※本記事は2026年10月時点の法令・公開情報にもとづいています。
※本記事の対象は、店内で酒類を提供する飲食店の「飲み方」と「帰り方」に関わる規制と売り方です。法人設立・酒類の登録や輸入・食品安全・消防・税務などの出店手続きは扱いません。
目次
まず押さえたい「飲み方」の規制|居酒屋に関係するルール早見表
居酒屋の運営で、お客様の飲み方と帰り方に直接関わる規制は、大きく3つに分けられます。
| 規制 | 根拠 | 主な対象 | 店への影響 |
|---|---|---|---|
| 飲酒運転の禁止(ゼロ基準) | 道路交通秩序・安全法(2024年)/政令168/2024/NĐ-CP(2025年1月1日施行、2026年8月に政令238/2026で一部改正) | 運転する客本人 | バイク・車で来る客が飲まない、来店をやめる |
| 飲酒の強要・あおりの禁止 | 酒類・ビール害防止法(44/2019/QH14)/政令90/2026/NĐ-CP第30条(2026年5月15日施行。旧政令117/2020から継承) | 強要・あおりをした人 | 宴会で「飲ませる演出」がリスクになる |
| 酒類を提供する店の義務 | 法44/2019第32条/政令90/2026第31条〜第35条ほか | 店(事業者) | 未成年への提供禁止と表示、飲酒後に運転しないよう注意喚起、帰りの交通手段の支援、販促・広告の制限 |
罰金を払うのは主にお客様でも、来店や注文の変化は店の売上に直接影響します。さらに、注意喚起を怠った場合など、店自身が罰金を受けるルールもある点を押さえておきましょう(第3章)。
なお、2026年に酒類事業の条件を暫定的に簡素化する決議(Resolution 66.18/2026/NQ-CP、原則2026年7月1日〜2027年2月28日)が出ています。店内提供については事業条件や関連する罰則の適用が暫定的に停止されていますが、届出の運用は当局への確認が必要です。また、未成年への提供禁止や飲酒運転防止の注意喚起、広告・販促の規制まで免除するものではありません。酒類の提供・仕入れの制度は「ベトナムの飲食店で酒を出すには?2026年の規制緩和で変わったこと・変わらないこと」で解説しています。
飲酒運転の罰則|お客様が失うものは罰金だけではない
● 少量でも違反になり得る「ゼロ基準」
ベトナムでは、運転者の血中・呼気からアルコールが検出されれば違反となる「ゼロ基準」が、2020年の政令100号の時代から続いています。日本の「酒気帯び(呼気0.15mg/L以上)」のような下限はありません。運転する人にとって「ビール1杯なら大丈夫」は通用しないと考えるべきです。
● バイク・車の罰則一覧(政令168/2024/NĐ-CP 第6条・第7条)
| アルコール濃度 | バイク(第7条) | 自動車(第6条) |
|---|---|---|
| アルコールが検出され、血中50mg/100ml以下または呼気0.25mg/L以下 | 200万〜300万VND+免許4点減点 | 600万〜800万VND+免許4点減点 |
| 血中50超〜80mg/100ml、または呼気0.25超〜0.4mg/L | 600万〜800万VND+免許10点減点 | 1,800万〜2,000万VND+免許10点減点 |
| 血中80mg/100ml超、または呼気0.4mg/L超 | 800万〜1,000万VND+免許停止22〜24か月 | 3,000万〜4,000万VND+免許停止22〜24か月 |
| 検査の拒否 | 最も重い段階と同等 | 最も重い段階と同等 |
旧政令100号と比べると、罰金が上がったのはバイクの中・高段階と自動車の中段階です。自動車の低・高段階と、最高段階の免許停止22〜24か月は従来から変わっていません。一方、低・中段階では、従来の免許停止に代わって点数の減点制度が導入されました。免許の持ち点は12点で、すべて失うとその免許では運転できなくなり、回復には6か月以上の経過と知識確認試験の合格が必要です。10点の減点でも、過去の減点と合わせて運転できなくなる場合があります。
このほか、違反車両は処分が決まるまで一時的に留め置かれることがあります(行政違反処理法にもとづく留置期間は原則7営業日以内で、事案によって延長されることがあります)。自転車や電動自転車なども、車両の区分ごとに別の条文で罰金が定められています。
2026年に入って「飲酒運転の罰金がさらに上がる」という情報がSNSで出回りましたが、交通警察局はこれを否定しています。政令168号は2026年8月15日施行の政令238/2026/NĐ-CPで一部改正されましたが、主な改正点は車載カメラや契約運送などで、上記の飲酒運転の罰金額に変更は確認されていません。
● なぜ居酒屋に響くのか
ホーチミンやハノイでは、多くの人がバイクで移動します。免許停止22〜24か月は、バイクで通勤する人にとっては生活そのものに関わります。取り締まりの規模を示す一例として、2025年10月19日の全国一斉検問では、約2時間に5万8,000人以上を検査し、2,000人近くの違反が見つかったと報じられています。
私がホーチミンに来た10年以上前は、居酒屋から客がそのままバイクで帰っていく姿も珍しくありませんでした。今はそうした光景をあまり見かけなくなり、バイクで来ている人はソフトドリンクを飲んでいる、という場面をよく目にします。これは私が見てきた範囲での観察で、都市全体の統計ではありませんが、「バイクで来たなら飲まない」という選択は、以前より目立つようになったと感じます。
「飲酒の強要」の罰金と、店自身に課される義務
● 飲酒の強要・あおりは2020年から罰金の対象
飲酒の強要・あおり・そそのかしは、酒類・ビール害防止法(2020年1月1日施行)で禁止されています。具体的な罰金を定めるのは行政処分の政令で、2026年3月30日に公布され5月15日に施行された政令90/2026/NĐ-CPが、旧政令117/2020/NĐ-CPに代わりました。罰金は旧政令の時代(2020年11月15日施行)から定められており、新政令でも同じ金額が引き継がれています。
第30条(飲酒に関する違反)
- 他人に飲酒をそそのかす・あおる・誘い込む:50万〜100万VND
- 他人に飲酒を強要する:100万〜300万VND
- 勤務・学業の直前・最中・休憩中の飲酒:100万〜300万VND
ベトナムの宴席では「Một, hai, ba, dzô!(いち、に、さん、乾杯!)」の掛け声で何度も乾杯する習慣があります。通常の乾杯がただちに違反になるとは限りませんが、罰金の対象は「強要」だけではなく、強要に至らない「あおり」「そそのかし」も含まれます。線引きは具体的な言動から個別に判断されるため、「断られていなければ問題ない」とは言えません。
● 店の責任はどう考えるか
客同士の行為だけで、店が自動的に処罰されるわけではありません。一方で、店員の行為が「店長の指示」「店が企画した飲みゲーム」「店の販売方針」によるものであれば、店員個人の問題として切り離せるとは限りません。政令90号は個人だけでなく組織も処罰の対象としており、組織が違反の主体として処罰される場合、罰金は個人の2倍です(第4条)。店員が関わったという事実だけで、直ちに法人に2倍の罰金が科されるわけではありません。
法的な違反の線引きとは別に、店のルールとしては「飲ませる演出」をしない、断る客に勧めない、と広めに決めておくのが安全です。
● 店に直接かかる罰金(第31条・第35条)
店の運営で特に確認したいのは、次の項目です(金額は個人基準。組織が違反主体の場合は2倍)。
| 違反 | 罰金 |
|---|---|
| 18歳未満への酒類の販売・提供 | 100万〜300万VND |
| 「18歳未満には酒類を販売しない」旨を見やすい場所に掲示していない | 100万〜300万VND |
| 飲酒後に運転しないよう客に注意しない、または警告の掲示がない(第35条) | 300万〜500万VND |
| 18歳未満の従業員に、酒類の売買を直接担当させる(第35条) | 1,000万〜1,500万VND |
| 医療施設・保育園・幼稚園・小中高校の敷地から100m以内で、店内飲用の販売拠点を新たに開く | 500万〜1,000万VND |
注意喚起の義務を怠ると、店自身が罰金の対象になります。 掲示とスタッフの声かけは最低限そろえておきましょう。18歳未満の従業員を酒類の広告に直接関わらせることにも、別途罰則があります(第33条)。
100m規制は、罰金を払えば営業できるというものではなく、その場所で店内飲用の販売拠点を新たに開くこと自体が禁止されています。対象は「新たに開く」場合です。既存店の居抜き取得や運営会社の変更が「新規開設」に当たるかは、条文から一律には判断できません。物件を契約する前に、周辺施設の種類と敷地からの距離、既存営業の扱いを当局や専門家に確認しておくことが大切です。契約後に営業できないと分かった場合、保証金が戻らないこともあるため、確認は契約・着工の前に済ませましょう。
● 帰りの交通手段の「支援」は法律上の義務
法44/2019第32条6項は、店内で酒類を提供する店に、飲酒後に運転しないよう客に注意を促し、公共交通機関などの利用を支援することを求めています。
ただし、条文から「店が運賃を負担する」「店が自宅まで送る」「車両を預かる」といった義務までが導かれるわけではありません。これらは、法律上の義務に上乗せして提供する任意のサービスです(第5章で解説します)。
● 販促と広告は別のルール
酒類には「販促(khuyến mại)」と「広告(quảng cáo)」の2種類の規制があり、別々に確認する必要があります。
- 販促:アルコール度数15度以上の酒・ビールの販促と、それを販促に使うこと、18歳未満への販促は禁止です(政令90号第32条、罰金2,000万〜3,000万VND)。15度未満でも、販促の法令に沿わない方法は違反になります。
- 広告:15度以上の酒の広告は禁止で、2026年5月15日施行の政令87/2026/NĐ-CPでは5,000万〜7,000万VNDの罰金が定められています。5.5度以上15度未満の酒と5.5度以上のビールは、文化・スポーツなどの催しや屋外広告での広告が制限されます。屋外広告の制限には店名看板の例外がありますが、看板に商品の広告を自由に載せてよいという意味ではなく、15度以上の酒の広告禁止にも及びません。それ以外にも、飲酒をあおる表現の禁止、若者・未成年を対象にしない、警告表示、オンラインでの年齢確認の仕組みなどのルールがあります。
日本酒(多くは15〜16度)や焼酎、ウイスキーは15度以上に当たることが多いため、「ボトル1本無料」などのキャンペーンは避けるべきです。ハイボールのように薄めた飲み物、料理とのセット、値引き、飲み放題などがどう扱われるかは、原酒の度数、法律上の「販促」に当たるか、告知の方法、実際の運営で飲酒をあおっていないかによって判断が分かれます。15度以上の酒を無料・割引で提供する企画は違法となる可能性が高く、それ以外は「要確認の施策」として個別に判断が必要です。店内の説明であっても、広告物による訴求は広告規制の対象になり得ます。店の公式SNSでの商品紹介や予約・価格への誘導は広告と評価される可能性があるため、キャンペーンやSNS投稿は出す前に専門家に確認することをおすすめします。
「自分の業態で、飲酒規制の影響がどれくらい出るのか知りたい」という方は、出店前の段階からお気軽にご相談ください。
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お客様の飲み方はどう変わったか|データと現場の両面から
● 大手ビールメーカーの業績は分かれている
規制は、ビールメーカーの決算説明にも登場します。
- サベコ(Sabeco)は、2025年第1四半期の減収について、競争激化と並んで政令168号の影響を理由に挙げました。
- サベコの親会社タイ・ビバレッジ(ThaiBev、サベコを含む数字のため独立した証拠ではありません)は、2025年度(9月決算)のベトナム事業の売上が前年から14%減ったと公表し、国内消費の弱さと政令100号・168号を要因に挙げています。
- 一方でハイネケンは、2025年通期決算で、同社のベトナム事業の販売数量・売上がともに伸び、飲食店向け・小売向けの両方で市場を上回ったと説明しています。成長した銘柄にはプレミアム商品だけでなく、主流価格帯のビールも含まれます。規制の下でも、飲食店向けの需要が伸び得ることを示すデータです。
メーカーの業績は、シェアや商品構成、価格などにも左右されます。決算資料から言えるのは、「規制は業績要因の一つとして挙げられているが、企業ごとに業績は分かれている」というところまでです。日系居酒屋のお客様の行動をそのまま示すデータではない点には注意が必要です。
● 現場で起きていること
2020年に政令100号の取り締まりが厳しくなった直後は、大衆的な飲み屋で客足が大きく落ちたと報じられました。その後、配車アプリや「運転代行(lái xe hộ)」の利用が広がり、政令168号の施行で運転代行アプリの需要がさらに伸びたと指摘する論文もあります。なお、配車アプリ(人だけを運ぶ)と運転代行(人と車両をまとめて運ぶ)は別のサービスです。
変化は企業の側にも見られます。私の周りでも、会社の飲み会がある日に、GrabやGreen SM(2026年4月にXanh SMから名称変更)といった配車サービスで通勤する費用を手当として出している会社があります。「飲み会の日はバイクで来ない」ことを、会社として後押ししている形です。居酒屋にとっては、こうした会社の宴会需要を取り込むうえで、「帰りの足」まで含めた提案が効いてきます。
居酒屋はどう売り方を変えるべきか|5つの打ち手
ここからは、規制への対応を前提に、検討できる打ち手を紹介します。いずれも効果が保証されたものではなく、追加の費用もかかるため、客数・客単価だけでなく、費用を差し引いた利益や再来店率で効果を検証することが大切です。
● 打ち手①:「帰りの足」までをサービスに組み込む
法律上の義務である「注意喚起と交通手段の支援」に、任意のサービスを上乗せする考え方です。
- 会計時にスタッフが配車アプリ(Grab、Green SMなど)を呼び、乗車まで案内する
- 運転代行サービスと提携し、予約時や会計時に案内する
- 企業の宴会予約では、帰りの手配方法をプランの一部として提案する
運転代行と提携する場合は、業者の法人情報、契約内容、運転者の資格、保険(客の車両を運転中の事故が補償対象か)、事故時の責任分担を契約前に確認しましょう。店のスタッフが業務として客の車両を運転して事故を起こすと、民法上の使用者責任として店側が賠償を求められる可能性があり、おすすめできません。車両の一晩預かりも、盗難・損傷時に保管者としての責任を負うため、管理体制と保険を整えられない場合は避けた方が無難です。
深夜・雨天・繁忙時に配車がつかまらない場合や、運転代行がバイクに対応していない場合の代わりの手段も決めておきましょう。また、車両を店に置いて帰ったお客様には、翌朝もアルコールが残っていれば運転できないことを伝えておくと親切です。
なお、お客様がすでに自分で配車を呼んでいる店では、手配を代行しても売上は増えず、スタッフの負担だけが増えることもあります。宴会の成約率や再来店率で効果を確かめましょう。
● 打ち手②:「一杯の価値」で単価を上げる
一杯あたりの価値で客単価を上げる方法です。一部の客層・立地で検証する価値のある仮説として考えてください。
- 日本酒・焼酎・ウイスキーを、産地やストーリーとともに店内で提案する
- 料理とお酒の組み合わせ(ペアリング)を少量ずつ楽しめるセットにする
- 器や温度など、提供の仕方で「日本らしさ」を体験として売る
ただし、高価格帯のお酒は輸入コストや在庫資金、温度管理、スタッフ教育、売れ残りのリスクを伴い、価格への感覚も客層で大きく異なります。15度以上のお酒は広告・販促で訴求できない点も制約です(第3章)。小さく試して、注文率と粗利を見ながら判断するのが現実的です。
● 打ち手③:ノンアルコールを「選びたくなるメニュー」にする
運転する人や翌日に仕事がある人も、飲み会の場には参加したいものです。
- ノンアルコールビールやノンアルカクテルを複数そろえる
- 日本茶や自家製ソーダなど、日本食店ならではのドリンクを開発する
運転するお客様には、アルコールを含まない飲み物を勧めましょう。低アルコール飲料は、運転しないお客様向けの選択肢として分けて考える必要があります。「ノンアルコール」と表示する商品も、実際のアルコール含有量を確認しておくと安心です。価格は、客層が納得できる範囲で、手間に見合う設定にします。
● 打ち手④:お酒に頼りすぎない売上構成にする
売上に占めるお酒の割合が高すぎると、規制や増税の影響をまともに受けます。特別消費税は2027年から毎年5ポイントずつ引き上げられ、2031年には、ビールと20度以上の酒が90%(2026年は65%)、20度未満の酒が60%(同35%)になる予定です。これは製造・輸入段階で課される税率で、店のメニュー価格がそのまま90%上がるという意味ではありませんが、仕入れ価格への影響は見込んでおく必要があります。
ランチやテイクアウト・デリバリーなど、お酒に頼らない売上の柱も検討できます。ただし、営業時間の延長は人件費を、デリバリーは手数料や包材費を増やすため、利益が出るかを確かめながら進めましょう。
● 打ち手⑤:宴会の運営とスタッフ教育を見直す
- 一気飲みやゲームで飲ませる演出をやめ、「断る客に勧めない」をスタッフのルールにする
- 「18歳未満には販売しない」「飲酒後は運転しない」の掲示を、ベトナム語で見やすい場所に出す
- 年齢確認の基準(身分証を確認する場面、確認できない場合は提供しない等)を店として決め、スタッフごとの判断のばらつきをなくす
- 18歳未満のスタッフは、注文受付・販売・宣伝を含め、酒類に関わる業務から外す
● 業態名より「客の帰り方」で見極める
規制の影響は、業態の名前だけでは決まりません。徒歩圏の常連が多い大衆店なら影響は小さく、都心の高価格店でも往復の配車費用が来店のハードルになることがあります。出店前に見たいのは、飲む予定のお客様がどれくらい自分で運転して来るか、商圏の広さ、往復の交通費、夜間の配車の拾いやすさ、客層の支払い能力です。
客層や立地に合わせて、どの打ち手から試すべきかを整理したい方は、無料相談をご活用ください。
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まとめ|規制を前提に「安心して飲める店」をつくる
最後にポイントを整理します。
- 飲酒運転は「ゼロ基準」。 政令168/2024/NĐ-CPで一部の罰金が引き上げられ、減点制度も導入されました。最も重い段階では免許停止22〜24か月です。
- 飲酒の強要には100万〜300万VNDの罰金。 2020年から続くルールで、2026年5月施行の政令90/2026/NĐ-CPに引き継がれています。店のルールとして「飲ませる演出」はやめましょう。
- 店自身にも罰金がある。 飲酒後に運転しないよう注意しない、警告を掲示しない場合は300万〜500万VND。未成年への提供や、未成年スタッフに酒類の売買を担当させることにも罰金があります(組織が違反主体なら2倍)。
- 「帰りの足」の支援は、集客の仕組みにもなり得る。 配車アプリや運転代行との連携は、責任分担を整理し、効果を確かめながら導入しましょう。
- 単価アップやノンアル、料理の強化は、小さく試して検証する。 客層・立地によって効果は変わるため、利益と再来店率で判断することが大切です。
本記事の打ち手を取り入れても、外国投資家としての参入手続きや営業資格(法人設立、店内提供の届出の運用、正規品の仕入れ、食品安全、消防、電子インボイスなどの税務、労務)を確認したことにはなりません。業態や立地、お酒の売上比率の設計とあわせて、出店前の検討段階で整理しておくことをおすすめします。フードコネクションベトナムでは、1万円から始められる現地視察で、客層や立地、夜の人の流れを実際に見ていただけます。出店を決めた後は、運営代行・店舗出店・各種申請まで段階的にサポートしています。
参考資料
- 政令238/2026/NĐ-CP(政令168号の一部改正、2026年8月15日施行):ベトナム政府 政策ポータル(https://xaydungchinhsach.chinhphu.vn/nghi-dinh-so-238-2026-nd-cp-sua-doi-quy-dinh-xu-phat-vi-pham-giao-thong-duong-bo-tru-diem-phuc-hoi-diem-giay-phep-lai-xe-119260630142033452.htm)確認日:2026年10月8日
- 政令87/2026/NĐ-CP(文化・広告分野の行政違反処罰、15度以上の酒の広告):ベトナム政府電子新聞(https://baochinhphu.vn/quy-dinh-moi-ve-xu-phat-vi-pham-hanh-chinh-trong-linh-vuc-van-hoa-quang-cao-102260413165337606.htm)確認日:2026年10月8日
- 政令168/2024/NĐ-CP(道路交通分野の行政違反処罰)第6条・第7条:カントー市法務局 法令普及ポータル(https://pbgdpl.cantho.gov.vn/muc-phat-nong-do-con-tu-01012025)確認日:2026年10月8日
- 政令90/2026/NĐ-CP(保健分野の行政違反処罰)第30条〜第32条:カントー市法務局 法令普及ポータル(https://pbgdpl.cantho.gov.vn/xu-ly-vi-pham-hanh-chinh-doi-voi-cac-hanh-vi-vi-pham-ve-uong-ruou-bia-va-dia-diem-khong-uong-ruou-bia-ban-cung-cap-ruou-bia-khuyen-mai-ruou-bia-quang-cao-ruou-bia)確認日:2026年10月8日
- 政令90/2026/NĐ-CP 全文(第4条・第33条・第35条):Dữ liệu Pháp luật(https://dulieuphapluat.vn/van-ban/vi-pham-hanh-chinh-van-ban/nghi-dinh-902026nd-cp-quy-dinh-xu-phat-vi-pham-hanh-chinh-trong-linh-vuc-y-te-1245922.html)確認日:2026年10月8日
- 政令90/2026/NĐ-CP 第4条(組織の罰金は個人の2倍):Thư viện Pháp luật(https://thuvienphapluat.vn/van-ban/Vi-pham-hanh-chinh/Nghi-dinh-90-2026-ND-CP-xu-phat-vi-pham-hanh-chinh-trong-linh-vuc-y-te-639959.aspx)確認日:2026年10月8日
- 旧政令117/2020/NĐ-CP(第30条・第31条・第35条)の罰金:VOH(https://voh.com.vn/phap-luat/tu-hom-nay-15-11-2020-ep-nguoi-khac-uong-ruou-bia-ban-ruou-bia-cho-nguoi-duoi-18-tuoi-bi-phat-384576.html)確認日:2026年10月8日
- 酒類・ビール害防止法(44/2019/QH14)第32条:Caselaw Vietnam(https://caselaw.vn/van-ban-phap-luat/334493-luat-phong-chong-tac-hai-cua-ruou-bia-so-44-2019-qh14-ngay-14-06-2019-cua-quoc-hoi)確認日:2026年10月8日
- 交通警察局による「2026年の罰金引き上げ」情報の否定:LSVN(https://lsvn.vn/bo-cong-an-phan-hoi-thong-tin-tang-muc-phat-vi-pham-nong-do-con-tu-nam-2026-a168998.html)確認日:2026年10月8日
- 2025年10月19日の全国一斉検問:VOV(https://vov.vn/xa-hoi/2-gio-kiem-tra-hon-58000-tai-xe-gan-2000-ma-men-bi-xu-ly-post1239141.vov)確認日:2026年10月8日
- 特別消費税の引き上げスケジュール:VnEconomy(https://vneconomy.vn/thue-tieu-thu-dac-biet-ruou-va-bia-tang-den-90-vao-nam-2031.htm)確認日:2026年10月8日
- サベコの業績と政令168号の影響:Diễn đàn Doanh nghiệp(https://diendandoanhnghiep.vn/vi-dang-nganh-bia-10155171.html)確認日:2026年10月8日
- タイ・ビバレッジのベトナム事業売上:Stockbiz(https://stockbiz.vn/tin-tuc/sab-doanh-thu-sabeco-giam-keo-tut-doanh-thu-mang-bia-cua-ong-chu-thaibev/37571978)確認日:2026年10月8日
- ハイネケン2025年通期決算:HEINEKEN N.V.(https://www.theheinekencompany.com/sites/heineken-corp/files/2026-02/heinekenn.v.2025fypressrelease_final.pdf)確認日:2026年10月8日
- 論文「Hợp đồng dịch vụ lái xe hộ qua ứng dụng trên điện thoại di động」(運転代行アプリ契約):ベトナム国会図書館デジタルライブラリ(https://thuvienso.quochoi.vn/bitstream/11742/110003/1/)確認日:2026年10月8日
- 運転免許の点数制度(12点・回復要件):ベトナム政府 政策ポータル(https://xaydungchinhsach.chinhphu.vn/tu-1-1-2025-thuc-hien-viec-tru-diem-giay-phep-lai-xe-119241218145447495.htm)確認日:2026年10月8日
- Green SMへの名称変更:Doanh nhân Báo Pháp luật(https://doanhnhan.baophapluat.vn/xanh-sm-doi-ten-thanh-green-sm.html)確認日:2026年10月8日
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。個別の手続き・判断は、専門家または当局にご確認ください。
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▽この記事の監修者
フードコネクションベトナム 林 吉祥
映像制作・フロントエンドエンジニア・WEBデザイナーを経て、2014年よりベトナムへ。
現地法人の立ち上げから携わり、4名の組織を40名まで育てたマネージャー。
長年のホーチミン生活で培ったリアルな視点から、現地の気づきを発信していきます。
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