フードコネクションベトナムディレクターの親盛です。現在、私はベトナムのホーチミンを拠点に、日系飲食店様の海外進出支援やマーケティング業務に携わっています。

日々、多くの経営者様と膝を突き合わせて打ち合わせをさせていただく中で、最近特に増えているのが、
「東南アジア進出を考えているが、今一番勢いのあるフィリピンはどうなのか?」
「治安の不安を耳にするが、実際のビジネス環境はどうなのか?」
といった、期待と不安が入り混じった切実なご相談です。

「東南アジア最後の巨大市場」と称されるフィリピン。人口1.1億人を突破し、平均年齢26歳という圧倒的な若さを誇るこの国は、外食産業にとって間違いなく「宝の山」です。マニラの中心地を歩けば、その熱気と日本食へのリテラシーの高さに驚かされるはずです。

しかし、その輝かしいポテンシャルの裏側には、複雑な外資規制や独特の商習慣、そして日本とは全く異なる労務環境といった、一筋縄ではいかない「壁」が立ちはだかるのも事実です。

そこで本記事では、2026年現在のフィリピン飲食店進出におけるメリットやリスク、そして避けては通れない最新の外資規制まで、進出前に必ず知っておくべき重要ポイントを徹底解説します。

▼ もし今、こんなことで迷っているなら

  • 圧倒的な若さと人口を誇るフィリピン市場で大きくスケールさせたい
  • 複雑な「外資規制」や「パートナー選び」の落とし穴を避け、安全に進出したい
  • 家賃や内装工事など、出店にかかる「リアルな初期費用」の目安を知りたい

記事を読み進める前に、「自社の業態がフィリピン市場に向いているか」「どのような進出スキームが現実的か」だけでも整理したい方は、まずはお気軽にご相談ください。

これから東南アジアでの飲食店展開を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
まずは、なぜ今「フィリピン」が飲食店オーナーにとってこれほど魅力的な市場なのか、その背景から整理していきましょう。

1. なぜ今、フィリピンなのか?飲食店進出のメリットと文化的背景

東南アジアの中でも、フィリピンは「日系の外食企業(飲食店)」にとって極めて特異で魅力的な市場です。ここでは、フィリピン進出を後押しする「4つの強み」と、その市場のポテンシャルを活かして実際に大成功を収めている「繁盛店の事例」をご紹介します。

1-1. 圧倒的な「若さ」と「外食文化」

フィリピンの平均年齢は約26歳。日本(約49歳)と比較すると、驚異的な活力です。フィリピン人は家族や友人と外食することを何よりの楽しみとしており、家計消費における飲食費の割合が非常に高いのが特徴です。

さらに、フィリピンは「世界トップクラスのSNS大国」であり、1日のSNS利用時間は常に世界トップレベルを争います。「美味しいものを食べて、SNSにアップする」という行動が完全に定着しており、若年層や拡大する中間層の旺盛な消費意欲が、外食市場の力強い成長を牽引しています。

1-2. 英語圏というアドバンテージ(シンガポールとの勝ち方の違い)

ビジネスシーンから日常生活の主要な場面まで、英語でほぼ支障なく完結する点は、他国にない大きな武器です。
タイやベトナムと異なり、日本人オーナーが現場スタッフと直接コミュニケーションを取りやすく、マニュアルの浸透やサービスレベルの維持が比較的容易なのは、多店舗展開を狙う上で強力なメリットになります。

また、同じ英語圏であるシンガポールが「超富裕層をターゲットにした成熟・高単価市場」であるのに対し、フィリピンは「これから爆発的に拡大する分厚い中間層」に対して英語でアプローチできるという、明確な「勝ち方の違い」があります。

1-3. 親日感情とOFWがもたらす多様な食文化の受容

フィリピンはアジア屈指の親日国であり、「JAPANブランド」への信頼は絶大です。
これに拍車をかけているのが、OFW(Overseas Filipino Worker:海外出稼ぎ労働者)の存在です。日本をはじめ世界中で働いた経験を持つOFWが帰国し、「海外で食べた本物の味」を家族に伝える(お土産文化の延長)ことで、国内の食文化の多様化が一気に進みました。

この背景があるため、フィリピン市場は異文化の食や新しいコンセプトに対して非常に寛容です。2026年現在、マニラ首都圏(BGCやマカティ)では、ラーメンや寿司だけでなく、お任せコースや日本の居酒屋スタイルが富裕層・中間層の間ですでに定着しています。

1-4. モール文化と凄まじい集客力

フィリピン人の生活の中心は「巨大ショッピングモール」です。
酷暑やスコール(雨季)を避けるため、週末になれば家族総出でモールで一日を過ごすのが一般的なライフスタイルとなっています。有力なデベロッパーが運営するモール(SMやアヤラなど)に出店できれば、莫大な広告費をかけずとも、圧倒的な通行量と集客を確保できるのがフィリピン市場の最大の特性です。

1-5. フィリピンの繁盛店事例

ここまで挙げた「4つの強み」が実際にどう活きているのか。現在、マニラで特に勢いがある「Mendokoro Ramenba(メンドコロ・ラーメンバ)」や「Marugame Udon(丸亀製麺)」を例に見てみましょう。
特に丸亀製麺は、現地の味覚と価格帯を完璧に捉え、モールの主役となっています。また、高級店ではBGCエリアの「お任せ寿司」が、1人3〜5万円の単価でも予約が取れないほどの盛況ぶりを見せています。

東南アジア進出において撤退を余儀なくされる日系飲食店も少なくない中で、彼らがとことん成功している理由は明確です。 前述した「圧倒的なモール集客」「英語圏の強みを活かしたスタッフ教育」、そして「SNSで拡散される視覚的な仕掛け(映え)」を、戦略的に掛け合わせているからです。


このように、外食市場としてのフィリピンは、人口動態や文化面において非常に魅力的なポテンシャルを秘めています。
しかし、「市場が魅力的だから」という理由だけで安易に進出すると、間違いなく痛い目を見ます。なぜなら、フィリピンには日本とは根本的に異なる、厳格なビジネスルールが存在するからです。

次に、フィリピン進出を阻む最大の壁である「外資規制」と、それを合法的に乗り越えるための現実的なスキームについて解説します。

2. 最大の壁!フィリピン飲食店進出の「外資規制」と設立スキーム

市場の魅力は十分にありますが、進出にあたって最初に直面する、そして絶対に間違えてはいけないのが「法律(外資規制)の壁」です。

実はフィリピンの法律上、飲食店(レストラン)は、最終消費者に直接販売を行うという性質から「小売業(Retail Trade)」として定義されます。そのため、フィリピン人が営む零細店舗を保護するための厳しい「小売業法」が、日系レストランの進出にもそのまま適用されるのです。

2-1. 【重要】小売業の「資本金2,500万ペソ」の壁(完全外資の条件)

「自社100%(独資)で自由に経営したい」と考えた場合、2021年の改正小売業自由化法(Retail Trade Liberalization Act)により以前より緩和されたとはいえ、依然として最低払込資本金 2,500万ペソ(約6,800万円〜※為替レートにより変動)という非常に高い要件が課せられます。さらに、多店舗展開を行う場合は「1店舗あたり最低1,000万ペソの投資を行うこと」といった細かな条件もクリアしなければなりません。

  • メリット: 意思決定をすべて日本側で行え、利益も独占できる。乗っ取りのリスクがない。
  • デメリット: 1店舗目の個人店や中小企業としては非現実的な初期投資額となる。

この高額な資本金の壁があるため、一般的な日系飲食店が完全外資(独資)で進出することは実務上ほぼ不可能です。

2-2. 現地パートナーとの連携(「外国人の関与不可」と実務上の解決策)

独資が難しい場合、多くの企業が検討するのが「フィリピン人パートナーとの合弁会社」の設立です。

ここで多くの日本人が勘違いしやすいのが、「外資40%・フィリピン資本60%にすればいい」という誤解です。実はフィリピンの法律(ネガティブリスト)では、払込資本金が2,500万ペソ未満の小売業は「外国資本の参入自体が禁止(外国人は株主・実質経営者として一切関与不可)」と定められています。

つまり、資本金2,500万ペソを用意できない場合、法律上は「フィリピン人が100%所有・経営する会社」でなければ飲食店を運営できません。

では、多くの日系企業はどうやって進出しているのかというと、フランチャイズ(FC)方式を活用してフィリピン人オーナーに運営を任せるか、現地の実力ある企業と提携し、日本側は「コンサルティングや食材供給+ロイヤリティ」などの別スキームで利益を確保するといった「実務上の解決策」を構築しているのです。

【成功事例:丸亀製麺の進出スキーム】

第1章で触れた、フィリピンで50店舗以上を展開し大成功を収めている「丸亀製麺(トリドールHD)」も、日本企業が単独で2,500万ペソを積んで直営しているわけではありません。 彼らは、フィリピン国内でアパレル等を手がける巨大ローカル企業(Suyen Corporationグループ)を事業パートナーとしています。現地側が店舗網の構築・運営を担い、日本側が「ブランドとノウハウ」を提供するという協業スキームを採用しているのです。

2-3. 絶対NG!「名義借り(アンチダミー法違反)」のリスク

この厳しい規制を都合よく解釈し、フィリピン人の知人やスタッフに「名前だけ貸してくれ(お金は日本側が全額出すから)」と持ちかけて会社を設立するケースが後を絶ちません。 これはフィリピンの法律「アンチダミー法(Anti-Dummy Law)」で固く禁じられている明確な違法行為です。

名義貸しだけでなく、日本側が実質的に経営や資金管理を行っている場合も「実質的支配」とみなされ、同法違反に問われます。 発覚すれば刑事罰や国外追放の対象になるだけでなく、「店が軌道に乗った途端、名義人であるフィリピン人に会社ごと(資金も店舗も)乗っ取られる」という悲劇が実際に多発しています。

法律上、相手が100%の正当なオーナーであるため、裁判を起こしても日本人は絶対に勝てません。
「高額な資本金を用意する」か「乗っ取りリスクに怯えながら名義を借りる」かの二択ではありません。
信頼できる専門家(コンサルタントや弁護士)を介し、「日本企業が安全にブランドを展開し、合法的に収益を得られるスキーム」を構築するのが、成功企業の鉄則です。


外資規制のハードルを越え、適切な法人スキームが固まったら、次はいよいよ実店舗のオープンに向けた準備に入ります。しかし、ここでも日本とは異なる「フィリピンならではの洗礼」が待ち受けています。

3. 飲食店開業までの実務ステップ

フィリピンでの飲食店開業は、タイやベトナムと比べても「お役所仕事」のハードルが高く、日本とは異なる法規制や商習慣を前提に準備を進める必要があります。
ここでは、前章の「外資規制」を踏まえた上で、開業までの全体像を実務ベースの7つのステップで解説します。

3-1. STEP1:進出スキームの決定とパートナー探し

最初に決めるべきは、前章で解説した「外資規制」をどうクリアするか(誰と、どうやってやるか)です。
独資で2,500万ペソ(約6,800万円)を用意するのか、それともローカル企業をパートナーにして「フランチャイズ・ライセンス方式」を採用するのか。この「最初のボタン」を掛け違えると、後の法人設立やライセンス取得がすべてストップしてしまいます。
実務上は、信頼できる現地企業やコンサルタントと組み、法的にも安全なスキームを設計してからスタートするのが一般的です。

3-2. STEP2:法人設立(SEC登記)と資本金の準備

スキームとパートナーが決まったら、証券取引委員会(SEC)へ法人登記を行います。

【重要】
ここで選んだスキームによって、誰が法人を設立し、いくら資本金を用意するかが全く異なります。

パターンA(完全外資で進出する場合):
日本側が100%株主となる法人(Domestic Corporation等)を設立します。この場合、第2章で解説した「2,500万ペソ(約6,800万円)」の資本金をフィリピンの銀行口座へ送金し、外資規制をクリアしている証明(残高証明等)を取得する重い手続きが発生します。

パターンB(FC・パートナー提携で進出する場合):
法人を設立するのは「現地のフィリピン人パートナー」です。彼らがフィリピン100%資本のローカル企業として登記を行うため、2,500万ペソの壁は適用されず、一般的な少額の資本金でスピーディーに設立が可能です。日本側は法人設立の手間を省き、そのローカル法人と「ライセンス契約」や「FC契約」を結ぶ作業に注力します。

3-3. STEP3:物件選定と賃貸契約の締結

法人設立(またはパートナーの確定)と並行して、物件を確定させます。フィリピンでは圧倒的な集客力を誇る「モール物件」か、BGCやマカティなどの「路面店」かが大きな分かれ道となります。

  • パートナーの信用力が直結: 人気モールの良い区画は、すでに実績のある企業や強力なコネクション(ツテ)がないと入居自体が困難です。FCスキーム等で現地の有力企業と組む最大のメリットは、この「一等地の物件確保」が圧倒的に有利になる点にあります。
  • 賃貸契約の罠: 契約時には多額の保証金とアドバンス(前家賃)が必要となり、契約書は大家有利に作られているため、入念なリーガルチェックが必須です。

3-4. STEP4:営業に必要な各種ライセンス(バランガイ・消防・衛生・市長許可)の取得

物件を契約しただけでは営業はおろか、内装工事にも入れません。まずは営業する場所の自治体から許可を得る必要があります。この手続きは基本的に現地の法人(自社子会社またはパートナー企業)が主体となって進めます。

  • バランガイ許可(Barangay Clearance):
    まずは店舗が所属する最小行政単位(町内会のような組織)から許可を取得します。
  • 消防安全証明(FSIC)と衛生許可(Sanitary Permit):
    次に、消防署と保健局の現場検査をパスする必要があります。しかし、フィリピンの現場検査は非常に厳格かつ属人的です。日本の常識で図面通りに施工しても、細かい指摘(理不尽なやり直し等)が多々入るため、現地の専門家(コンサルタントや弁護士)との連携が欠かせません。
  • メイヤーズパーミット(Mayor’s Permit):
    市役所が発行する最終的な営業許可です。事前の消防・衛生検査をクリアして初めて交付されます。2026年現在はオンライン化が進んでいますが、それでも一連の手続きに数ヶ月かかることがあり、家賃だけが発生する「空家賃」の期間が延びる大きな要因となります。

3-5. STEP5:税務登録(BIR)と「VAT請求書」の準備

営業開始前に必須となるのが、BIR(内国歳入庁)への税務登録と、公式の領収書・請求書を印刷・発行する許可(ATP)の取得です。

【重要】最新の税務ルール:
2024年に施行された納税容易化法(Ease of Paying Taxes Act)により、飲食店などのVAT登録者は、従来の公式領収書(OR:Official Receipt)ではなく「VAT請求書(VAT Invoice)」を発行することが義務付けられました。フィリピンは税務ルールが頻繁に変わるため、最新の法律に精通した現地会計士のサポートが不可欠です。

3-6. STEP6:内装工事の施工管理と「空家賃」リスクへの対策

各種許可の取得と並行して内装工事を進めます。FCスキームであっても、ここは「日本のブランドイメージが損なわれないか」を日本側が厳しく監修すべきポイントです。

  • 工事の遅延: フィリピンでは「業者が指定日に来ない」「寸法を間違える」は日常飯事です。モール物件は夜間しか工事できない制限も多く、予定通りに進むことは稀です。
  • 空家賃の発生: 店がオープンできなくても「家賃」は発生し続けます。現地スタッフ(またはパートナー)に毎日現場に足を運ばせて職人の尻を叩く泥臭い進捗管理と、遅延を前提とした資金のバッファ(余裕)を持たせることが重要です。

3-7. STEP7:就労ビザ(9G / AEP)の取得とスタッフ採用〜オープン

店舗が完成し、スタッフを採用・教育していよいよオープンです。ここで「日本人がどう現場に関わるか(スキーム)」によって、ビザの対応が大きく異なります。

  • パターンA(現地に駐在してマネジメントする場合): 就労ビザ(9G)と外国人就労許可証(AEP)の取得が必須です。しかしフィリピンには「外国人1名を雇用するなら、フィリピン人を10名雇用する」といった暗黙の保護ルールがあるため、日本人は最小限のマネジメント層(1〜2名)に絞る組織設計が基本です。
  • パターンB(FC方式で、日本から出張ベースで監修する場合): 店舗運営はパートナー企業(フィリピン人スタッフ)に任せ、日本側は定期的な「視察」や「技術指導」として渡航します。この場合、日本側が重い就労ビザを取得する必要はなく、ビジネス目的の短期滞在等で対応するケースが一般的です。

ここまでの全工程を完了しオープンに漕ぎ着けるには、スムーズに進んでも最短半年〜長ければ1年程度の期間を見込んでおく必要があります。


このように、スキーム構築からライセンス取得、店舗完成までには、多くの法規制と「時間という見えないコスト」がかかります。
では、実際に出店するためには、金銭的なコスト(初期費用と運営費)はどれくらい見込んでおくべきなのでしょうか? 次の章で、フィリピン特有の「隠れたコスト」について解説します。

4. 進出にかかる費用目安と隠れたコスト

ここまでのハードルをクリアし、いざ実店舗を作るための資金計画を立てる際、多くの日系企業が陥りやすい罠があります。
それは、「劇的な資本金要件が厳しいことは理解できたが、フィリピンは物価が安いのだから、内装工事や物件取得といった『実際の店舗づくり』にかかる初期費用は日本より安く済むだろう」という誤解です。

結論から言うと、その見通しは甘く、当初の想定より1.5倍〜2倍近く出店費用が膨らむケースが多発しています。フィリピンには、日本とは異なる「隠れたコスト」が多数存在するからです。

4-1. 初期投資は「タイより高く、シンガポールより安い」

マニラの超一等地(BGCやマカティ)に出店する場合、内装費、物件取得費、厨房設備、各種ライセンス取得費用などを合算すると、3,000万〜5,000万円程度の初期投資が必要になるケースが一般的です。

人件費そのものは安いですが、高品質な内装資材や日本と同等の厨房設備(冷蔵庫など)は現地調達が難しく、輸入品に頼らざるを得ないためコストが跳ね上がります。

東南アジアの主要国で飲食店を出店する場合の初期費用を比較すると、その特異性がよくわかります。

  • タイ(バンコク): 約1,000万〜2,000万円程度
    ※内装資材の現地調達が容易なため費用を抑えやすい。ただし、中心部の一等地で内装にこだわった場合はフィリピン同等の2,500万〜5,000万円に達する
  • フィリピン(マニラ): 約3,000万〜5,000万円程度
    ※BGCやマカティなど超一等地の場合。資材の輸入コストと、モール等の保証金・前家賃の重さがのしかかる
  • シンガポール: 約7,000万円〜1.2億円規模
    ※圧倒的な物価高と、世界トップクラスの家賃デポジットや内装費が必要

このように具体的な数字を並べると、「シンガポールほど絶望的な金額ではないが、タイ(バンコク)での標準的な出店よりは確実に高くつく」という、フィリピン進出のリアルな相場感がお分かりいただけるかと思います。

4-2. 物件取得費と「歩合家賃・エスカレーション(毎年値上げ)」の罠

フィリピンの不動産契約は、圧倒的に「大家(オーナー)有利」に作られています。

まず、契約時には保証金(デポジット)3ヶ月分に加え、「アドバンス(前家賃)」としてさらに3ヶ月分など、計半年分近い家賃を前払いする習慣があり、まとまった初期費用が飛びます。
さらにモールに出店する場合は、固定家賃に加えて売上の一定割合(数%)を支払う「歩合家賃」が設定されることも多く、利益率を圧迫します。

最大の罠:エスカレーション条項
これは、「毎年、家賃が5%〜10%自動的に値上げされる」という恐ろしいルールです。
例えば、月20万ペソの家賃でスタートしても、毎年10%ずつ上がれば、わずか5年で家賃は約1.5倍に膨れ上がります。つまり、「毎年、前年比で10%以上の売上アップを達成し続けなければ、家賃の支払いに耐えきれず撤退する」という過酷なハードルが最初から設定されているのです。大家との日頃の良好な関係構築(ディスカウント交渉など)が、生き残りの鍵を握ります。

4-3. 高騰する電気代と「13ヶ月給与(13th Month Pay)」の義務

運営を始めてからボディーブローのように効いてくるのが、アジア最高水準とも言われる「高騰する電気代」です。
フィリピンは島国でインフラ整備が追いついていない地域もあり、電気代は日本と同等、あるいはそれ以上に高くつく場合があります。エアコンをフル稼働させる飲食店にとって、これは大きなランニングコストになります。

また、労務面で絶対に忘れてはならないのが「13ヶ月給与(13th Month Pay)」の存在です。
フィリピンの労働法では、雇用主はすべての従業員に対し、毎年12月24日までに「基本給の1ヶ月分」に相当するボーナスを支払うことが法的な義務として定められています。(業績が悪くても支払いは必須です)。
年末に向けてまとまった現金が流出するため、年間を通じた精緻なキャッシュフロー計画に組み込んでおかなければ、黒字倒産のリスクすらあります。


高い家賃と電気代、そして毎年上がる固定費。
この過酷なコスト構造を乗り越え、利益を出し続けるためには、フィリピン市場に最適化した「戦略」が不可欠です。
次章では、競合ひしめくフィリピンで生き残るための、具体的なメニュー戦略と集客術を解説します。

5. フィリピン市場で生き残るための戦略

高額な初期費用と上がり続ける家賃。この過酷なコスト構造を乗り越え、利益を出し続けるためには、フィリピン市場に最適化した「戦略」が不可欠です。

ここで大前提となるのが、「日本で流行っている=フィリピンでも流行る、ではない」という事実です。

5-1. 「現地化」か「本物」か?フィリピン人の複雑な味覚(甘じょっぱい等)を理解する

フィリピンに進出する際、メニュー開発と価格設定で最も頭を悩ませるのが「日本の味を貫いて高単価を取る(本物)」か、「現地の味に寄せて大衆向けにいく(現地化)」かの二択です。 味付けも価格帯も中途半端なローカライズは、フィリピン人にも日本人駐在員にも刺さらず、最も苦戦を強いられる失敗パターンです。

ローカライズ(現地化)を選択する場合、フィリピン人の独特な味覚構造を理解する必要があります。
フィリピン料理の根底には、単一の味ではなく、「甘み(タミス)」「酸味(アシム)」「塩味(アロット)」を対比・調和させる「カウンターポイント」という概念があります。

  • 甘酸っぱい(Sweet & Sour): 豚の丸焼き(レチョン)に甘酸っぱいソースを合わせるなど、非常に親しまれる王道の組み合わせ。
  • 甘じょっぱい(Sweet & Salty): 国民食アドボに砂糖を加えたり、甘い味付けの肉(トシーノ)を好んだりする、最も支配的な味覚。
  • 甘苦い・旨味の対比: ピーナッツソースの煮込み(カレカレ)に、強烈な塩気を持つ発酵エビペーストを添えて完成させる文化。

日本のラーメン店が「甘辛味噌ラーメン」を提供しても、「邪道だ」と拒絶されるのではなく、むしろフィリピン人の味覚の深層に響き、爆発的なヒットを生む土壌があるのです。「コア(スープや出汁)は日本の本物を保ちつつ、サイドメニューや味付けのバリエーションでフィリピンの嗜好(甘じょっぱさ等)を取り入れる」というハイブリッド戦略が、成功の鍵を握ります。

5-2. SNS(特にTikTok / Facebook)の徹底活用

フィリピンは世界有数のSNS大国であり、特に若年層を中心としたデジタルネイティブ世代にとって、SNSは情報収集のすべてです。
美味しいことは大前提ですが、「SNS映え(インスタ映え)」するかどうかが、初動の集客を決定づけます。

  • Facebookの圧倒的な影響力: フィリピンでは、Facebookがインフラとして機能しています。店舗の公式ページを作成し、プロモーション情報を発信することは必須です。
  • TikTokとKOL(インフルエンサー)の活用: 視覚的にインパクトのあるメニュー(チーズが伸びる、煙が出るなど)を開発し、現地のKOLを起用した動画マーケティングを仕掛けることが、オープン初日の大行列を作り出す起爆剤となります。

「日本式のチラシ配り」や「地道な口コミ」を待つのではなく、デジタル空間でのバイラル(拡散)を戦略的に狙うことが、フィリピン市場では不可欠です。

5-3. ホスピタリティを活かした接客マネジメント

フィリピン人の接客能力のポテンシャルは、世界的に見ても非常に高いと言えます。彼らは生来、明るくフレンドリーで、ホスピタリティ精神に溢れています。 しかし、日本式の「マニュアル通りの正確で均一なサービス」をそのまま押し付けると、彼らの良さを殺してしまうだけでなく、高い離職率につながります。

重要なのは、「日本の高い衛生基準やオペレーションの正確さ」は徹底的に教育しつつ、接客のスタイルにおいては「フィリピン人特有の明るさとパーソナリティ」を活かせる余白を残すことです。

「いらっしゃいませ!」とマニュアル通りに言うだけでなく、常連客の名前を覚え、笑顔で世間話をするような「血の通ったサービス」を引き出すマネジメントができれば、それは強力なリピーター獲得の武器となり、他店との圧倒的な差別化につながります。


ここまで、成功するための戦略をお伝えしてきましたが、どれほど綿密に計画を立てても、フィリピンには「想定外の地雷」が数多く埋まっています。
次章では、過去に多くの日系飲食店が直面し、撤退を余儀なくされた「リアルな失敗事例」から、避けるべき致命的なミスを学びます。

6. 【失敗事例から学ぶ】フィリピン撤退のリアルな理由

どれほど商品力があり、SNSでバズったとしても、フィリピン特有の「ビジネスの地雷」を踏んでしまえば、あっという間に撤退に追い込まれます。先人たちがどのような理由でフィリピンを去ったのか、リアルな失敗から学んでください。

6-1. 名義借りパートナーによる「会社・店舗の乗っ取り」

第2章でも触れましたが、これがフィリピン進出において最も多く、そして最も悲惨な失敗パターンです。

高額な資本金(2,500万ペソ)を回避するため、フィリピン人の知人や、長年働いてくれていた現地のスタッフを信用し、「名前だけ貸してくれ(名義上のオーナーになってくれ)」と頼んで会社を設立するケースです。 オープン当初は上手くいっていても、店が繁盛して利益が出始めると、態度が急変します。

  • 「法律上は私が100%のオーナーだ。明日から日本人は店に入るな」
  • 「会社の銀行口座から勝手に資金が引き出されている」

こうして、日本側が出資した資金も、手塩にかけて育てた店舗も、ある日突然すべて奪われます。これは「アンチダミー法違反」という日本側の違法行為(脱法行為)に端を発しているため、警察や裁判所に訴えても、フィリピンの法律はフィリピン人名義人を守ります。泣き寝入りして帰国するしかないのです。

6-2. 労働争議(NLRC)による多額の賠償金リスク

フィリピンの労働法は、極めて労働者保護(フィリピン人有利)の側面が強いのが特徴です。日本の感覚で「態度が悪い」「無断欠勤が多い」という理由でスタッフをその場で解雇(クビに)したり、感情的に厳しく叱責したりすると、高い確率でNLRC(フィリピン国家労働関係委員会)に不当解雇やパワハラで訴えられます。

失敗例: 「遅刻ばかりするスタッフを怒って辞めさせたら、後日NLRCから呼び出し状が届き、数ヶ月分の給与と多額の解決金を支払うハメになった」

フィリピンでは、正当な理由(Just Cause)と、法律で定められた厳格な解雇手続き(Due Process:書面での警告や弁明の機会の付与など)を踏まない解雇は、すべて不当解雇とみなされます。日本の「なあなあ」な労務管理は絶対に通用しません。就業規則の整備と、現地労働法に精通したHR(人事)担当者や弁護士のサポートが必須です。

6-3. 島国特有の「物流の分断」と品切れ問題

フィリピンは7,000以上の島からなる国であり、インフラが未発達な地域も多いため、物流網が非常に脆弱です。日本のように「発注すれば翌日には必ず届く」という常識は捨ててください。

失敗例: 「台風で船が数日間欠航し、首都圏の店舗に食材が届かなくなった。結果、看板メニューのラーメンが1週間提供できず(品切れ)、客離れを起こしてしまった」

また、港湾の混雑(Port Congestion)も深刻で、日本から輸入した食材や機材が税関で何週間もストップし、オープンに間に合わないというトラブルも日常茶飯事です。 一つのサプライヤー(仕入れ先)に依存するのではなく、現地の代替ルートを複数確保しておくなど、分断を前提とした在庫管理とメニュー戦略が求められます。


このように、フィリピンには独自の魅力と同時に、一歩間違えれば致命傷になるリスクが存在します。
では、東南アジアの他の国、例えば「ベトナム」と比較した場合、どちらが進出先として適しているのでしょうか?

次章では、実務家の視点から両国の決定的な違いを比較します。

7. 【徹底比較】ベトナム進出 vs フィリピン進出

フィリピン市場の魅力とリスクを解説してきましたが、東南アジアへの飲食店進出を検討する際、よく比較対象に挙がるのが「ベトナム」です。

私自身、現在ベトナムを拠点に活動していますが、両国には明確な「勝ち筋の違い」があります。どちらの国が優れているかではなく、「自社の資本力や目的にどちらが合っているか」を見極めることが重要です。

まずは、進出の判断軸となる主要な項目を比較表で整理してみましょう。

比較項目 フィリピン 🇵🇭 ベトナム 🇻🇳
言語の壁 低い(英語でほぼ完結) 高い(ベトナム語必須)
外資規制 非常に厳しい(独資は2,500万ペソ〜) 緩い(外資100%はもちろん、内資での設立などケースバイケース)
初期コスト 高い(3,000万〜5,000万円) 低い(1,000万〜1,500万円)
インフラ(電気代等) 高コスト(アジア最高水準)・物流に課題 安価・安定しつつある
メインターゲット 分厚い中間層・富裕層・BPOワーカー 若年層・拡大する中間層

7-1. コストと参入障壁の比較

進出の「ハードルの低さ(最初の1歩の踏み出しやすさ)」で見れば、軍配は圧倒的にベトナムに上がります。
ベトナムは外資規制が比較的緩く、多くの日系飲食店が「外資100%」で設立されています。また、1,000万円〜1,500万円程度の予算からでもスモールスタートが可能であり、家賃や電気代などのランニングコストもフィリピンに比べれば低く抑えられます。

一方のフィリピンは、第2章で解説した通り「資本金2,500万ペソ(約6,800万円)」という強烈な外資規制の壁があります。さらに、高い保証金とエスカレーション(毎年値上げ)、高騰する電気代など、初期投資と維持費の両面で「参入障壁が非常に高い国」と言えます。

7-2. 「実利」のベトナムか、「スケール」のフィリピンか

では、ハードルの高いフィリピンを選ぶメリットはどこにあるのでしょうか? それは「英語圏という武器を活かした、圧倒的なスケール(規模拡大)のしやすさ」です。

  • ベトナムが向いている企業: 低リスクで早く軌道に乗せ、着実に利益(実利)を出したい企業。初めての海外進出で「最初の成功体験」を作りたい場合に適しています。
  • フィリピンが向いている企業: 相応の投資余力があり、1.1億人の巨大市場で多店舗展開を一気に進めたい企業。初期のスキーム構築さえクリアすれば、現場がすべて英語で完結するため、日本人経営陣の理念やマニュアルを落とし込みやすく、ブランドの「スケール」が圧倒的に容易です。

「確実に実利を取るベトナム」か、「初期ハードルを越えて巨大市場で一気にスケールさせるフィリピン」か。自社の体力と中長期的な出店戦略に合わせて、冷静に判断する必要があります。


ここまでの解説で、フィリピン進出の全体像と他国との違いがかなり明確になってきたかと思います。
次章では、実際に進出を検討される経営者様からよくいただく、治安や食材の輸入といった「現場のリアルな疑問(Q&A)」にお答えします。

8. 【よくある質問】フィリピン進出のQ&A

フィリピン進出に関して、経営者様から寄せられる代表的な疑問にお答えします。

Q. 治安は大丈夫ですか?

A. エリア選びを間違えなければ、ビジネス環境は安全です。
マニラ首都圏のBGC(ボニファシオ・グローバル・シティ)やマカティといった主要ビジネス街・商業エリアは、各ビルやモールの入り口に銃を持った警備員が配置され、手荷物検査が行われるなど、日本以上に厳重なセキュリティが敷かれています。ターゲット層となる中間層・富裕層が集まるエリアに出店する限り、過度な心配は不要ですが、ローカルすぎる地域への出店や深夜の単独行動は避けるべきです。


Q. 日本から食材を持ち込めますか?

A. 可能ですが、FDA(食品薬品局)の許可などハードルは高いです。
日本の味を再現するために調味料や食材を輸入したい場合、商品ごとにFDAのライセンス(LTO / CPR)を取得する必要があります。手続きには時間と費用がかかり、成分によっては輸入不可となるケースもあります。自社でゼロから輸入ルートを開拓するよりも、すでにライセンスを持っている現地の輸入卸業者を活用するか、現地調達できる食材で味を調整する(ローカライズする)のが現実的なアプローチです。


Q. 日本人100%出資で飲食店を開業できますか?

A. 資本金2,500万ペソ(約6,800万円〜)を用意できれば可能ですが、一般的ではありません。
フィリピンの法律では、資本金がこの基準に満たない飲食店への外資参入は「1%たりとも認められない(40%出資も不可)」のが原則です。
そのため、多くの企業は以下のいずれかのスキームを選択しています。

  • フランチャイズ(FC)・ライセンス方式: 現地資本のパートナーに運営を任せ, 日本側はブランドとノウハウを提供。
  • パートナー提携スキーム: 現地企業と強力に提携し, 外資規制に抵触しない形で実質的に事業参画する。

「名義借り」はアンチダミー法違反であり、乗っ取りリスクも極めて高いため厳禁です。詳細は「第2章:外資規制と設立スキーム」で詳しく解説しています。


Q. 進出までにどれくらいの期間がかかりますか?

A. 物件決定から、短くて半年、長ければ1年以上かかります。
フィリピンでは法人設立(SEC登録等)、各種営業許可(メイヤーズパーミット、衛生許可など)、就労ビザの取得、そして内装工事と、すべての工程において日本より時間がかかります。「予定通りに進まないこと」を前提としたスケジュール管理と、空家賃が発生する期間を耐え抜く資金のバッファ(余裕)を持っておくことが必須です。


Q. フィリピン人スタッフの労務管理で注意点は?

A. 「感情的に怒らないこと」と「明確なルール化」が絶対です。
フィリピン人は人前で叱責される(メンツを潰される)ことを極端に嫌い、それが原因で無断退職や労働争議(NLRCへの提訴)に発展するケースが多発しています。日本式の「見て学べ」「空気を読め」は通用しません。業務内容を細部までマニュアル化し、ペナルティの基準を就業規則で明確に定めた上で、「ルールベースで冷静に指導する」マネジメントが必要です。


Q. 小規模・カフェ業態でも進出可能ですか?

A. 可能です。ただし、進出スキームの工夫が必要です。
「資本金2,500万ペソは出せないが、自社ブランドのカフェを出したい」という場合、信頼できる現地企業とマスターフランチャイズ契約を結び、現地側に資金と運営を担ってもらう手法が有効です。
あるいは、現地企業と業務提携を結び、日本側は「メニュー監修」や「技術指導」の対価としてロイヤリティを受け取るといった形であれば、資本金に関わらず進出可能です。小規模であっても、こうした「知恵とスキーム」次第で、巨大市場フィリピンでのチャンスを掴むことができます。

9. 【結論】フィリピン進出が向いている企業とは?

ここまで、フィリピン市場の魅力から、外資規制という強烈な壁、さらに撤退に追い込まれるリアルな失敗事例まで、綺麗事抜きで解説してきました。
「初期投資が6,800万円以上かかるのか」
「名義借りで乗っ取られるリスクがあるのか」
「毎年家賃が上がるなんて厳しすぎる」
——そう感じて、進出を躊躇された経営者様もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これらのハードル(参入障壁)が高いということは、「無謀な競合が簡単に参入できない」という強力なメリットでもあります。
正しいスキームで壁を越えさえすれば、平均年齢26歳・人口1.1億人という、世界でも類を見ない超巨大市場の果実を手にすることができるのです。

結論として、フィリピン進出で成功を収めやすいのは、以下の2つの条件のいずれか(または両方)を満たす企業です。

9-1. 明確な「強い業態」を持っている

フィリピン市場は、良くも悪くも「わかりやすさ」が求められます。
中途半端な総合和食や、コンセプトが曖昧な居酒屋は、現地の消費者にも、駐在員にも刺さらずに埋もれてしまいます。

逆に、「ラーメン」「とんかつ」「焼肉」「うどん」といった、フィリピン人が好む『わかりやすい日本食』において、他店には絶対に真似できない『強力な看板メニュー(シグネチャー)』を持っている企業は非常に強いです。
これに加えて、SNS映えする視覚的なフック(チーズ、煙、山盛りのトッピングなど)や、現地の味覚(甘じょっぱさ等)に寄り添う柔軟なメニュー開発力を持っていれば、モールの集客力を武器に、一気に多店舗展開(スケール)させることが可能です。

9-2. 欧米市場を見据えた「英語圏でのブランド確立」を目指す

もう一つの成功パターンは、フィリピンを「世界展開への重要な布石」と位置づける企業です。

フィリピンは、東南アジアでありながら「100%英語でビジネスが完結する」という特異な国です。
ここで「英語ベースのオペレーションマニュアル」「多国籍スタッフのマネジメント手法」「海外向けのマーケティング戦略」を確立できれば、それはそのままアメリカ、オーストラリア、カナダといった巨大な欧米市場(英語圏)へ進出するための「最強のテストマーケティング」になります。

「実利(目先の利益)」を追求するならベトナムの方が低リスクかもしれません。しかし、将来的に自社の飲食ブランドを「世界規模のフランチャイズ」に育て上げたいという野心を持つ企業にとって、フィリピンはこれ以上ない「最高の練習場」であり、飛躍の舞台となるはずです。


私たちは、フィリピン・ベトナム両国において、市場調査から適切なスキームの構築、物件選定、ライセンス取得までをワンストップで支援しています。

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10. 他国の進出も比較したい方へ

フィリピン進出は「1.1億人の圧倒的な人口ボーナスと英語圏」という強力な武器がありますが、目的や資本規模によっては他国の方が適している場合もあります。
ASEAN各国はそれぞれ市場フェーズや外資規制が全く異なるため、広い視野で比較検討することが成功への近道です。

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▽この記事の共同監修者

親盛 龍斗

フードコネクションベトナム / グローカルコネクション
親盛 龍斗

沖縄県出身。飲食店のWEB/販促/ブランディングに関するディレクターを経験後、2025年7月よりベトナムに赴任。自らもインフルエンサーとして情報発信をしながら、日本の飲食店のベトナム進出支援を中心に海外進出を検討する飲食店を支援している。