【ベトナム】飲食店開業の主要手続きガイド|IRC・ERC・食品安全・消防・酒類の流れと落とし穴 – ベトナム進出支援・飲食店開業・出店ならグローカルコネクション
2026.07.17
【ベトナム】飲食店開業の主要手続きガイド|IRC・ERC・食品安全・消防・酒類の流れと落とし穴
フードコネクションベトナムディレクターの林です。2014年にベトナムに渡り、現在、ベトナム・ホーチミンを拠点に、飲食店様のホームページ制作・広告ディレクションや海外進出支援に携わっており、長年のホーチミン生活で培ったリアルな視点から、現地の気づきを発信していきます。
「ベトナムで飲食店を開きたい」。そう思って調べ始めると、IRC・ERC・食品安全・消防・酒類……と、聞き慣れない許認可の名前が次々に出てきて、結局どこから手をつければいいのか分からなくなる——。そんな声を、現地でよくいただきます。
結論からお伝えすると、店内で調理して提供する一般的なレストランは、原則として100%外資(日本側だけの出資)で開業できます(酒類・食品の輸入や卸売・小売・製造を併営する場合は別途確認が必要)。ただし日本人オーナーが最もつまずくのは許認可の"種類"ではなく、取得する"順番"と、物件・消防・法人設立のかみ合わせです。ここを外すと、契約した物件で許可が下りない、内装が終わっているのに消防で止まる、といった事態が起こります。
なお、ベトナムの許認可は2025〜2026年に大きく改正され、2026年3月の新投資法や7月の消防・酒類の簡素化など、それ以前の記事と食い違う点が多くあります。この記事は2026年7月時点の最新ルールを基準に、開業までの全体像・進出形態・法人設立と手続きの順番・落とし穴を、現地目線で整理します。
目次
1. ベトナムで飲食店を開くには?開業までの全体像
まず全体像です。ベトナムで100%外資の飲食店を開くには、「①法人をつくる(IRC・ERC)→ ②物件・施設を整える(物件契約・消防や建築の適合・内装)→ ③営業開始に必要な手続きをそろえる(食品安全など、必要なら酒類対応)」という流れで進めます。
期間の目安は、書類上の法人設立自体は数週間〜1か月で済むこともありますが、物件探し・内装工事・各種検査まで含めた「開業までの通し」では、おおむね4〜6か月が現実的です。ただしこの4〜6か月は「標準」というより適合済みの居抜き・モール物件を使い、書類の補正が少ない順調な案件の目安です。一般の路面店で改修や消防対応が必要な場合は、6〜9か月以上を見込む方が安全です。
● 標準的な開業ロードマップ(目安)
| 時期の目安 | 主な作業 |
|---|---|
| 0〜2か月目 | 物件選定・法人設立申請(IRC/ERC) |
| 3〜4か月目 | 物件引き渡し・内装設計および施工 |
| 5〜6か月目 | 消防の適合確認・食品安全など営業開始手続き、スタッフ研修・試運転 |
| 6か月目〜 | グランドオープン |
これは標準的な流れで、実際には各工程が一部並行します。とくに「その物件で消防・建築の要件を満たせるか」の確認は、物件契約や工事より前に行うのが鉄則です(第5章)。「オープン希望日から逆算して4〜6か月前に動き出す」——これが最初の指針です。
2. 進出形態を選ぶ|正規ルートと"名義借り"の落とし穴
「ベトナム進出=独資か、名義借りか」の2択で語られがちですが、これは正確ではありません。正式に認められた進出形態は複数あり、「名義借り」はそこに含まれない非正規の方法です。まず正規の選択肢を押さえ、そのうえで名義借りのリスクを見ます。
● 正規の進出形態(いずれも合法)
- ①外資100%(独資):日本側だけで出資し、正式な外資企業として登記する形。飲食業は外資に開放されているため、日本人だけの出資でも100%オーナーになれます。ノウハウ流出や不正のリスクを構造的に抑えられるのが強みです。
- ②真正な合弁:実態のある共同出資でベトナム企業・個人と会社をつくる形。現地の協力を得やすい反面、対立に備えた株主間契約の設計が必須です。
- ③既存法人への適法な出資・M&A:既存法人の持分を取得する方法。ゼロから設立するより短縮できる場合がありますが、外国投資家による持分取得手続き、IRC・ERCの変更、既存許認可の継続可否、簿外債務の調査が必要です。なお店舗設備だけを買収しても、既存法人の許認可が自動的に引き継がれるとは限りません(法人の持分取得か、資産だけの譲渡かで扱いが変わります)。
- ④フランチャイズ/ブランド・ノウハウのライセンス:自社で店を持たず、現地の正規事業者にブランドや運営システムを利用させる形。ただし両者は法的に別物で、海外からのフランチャイズは商工当局への登録・情報開示などの手続きが関わることがあり、単なる商標・レシピ・運営ノウハウの供与では知的財産・税務・海外送金(ロイヤリティ)の条件確認が必要です。
独資(①)は手続きの負担が大きい反面、「参入障壁=他社もかんたんには入ってこない」と割り切れるのが長所で、持分も重要な意思決定も自社側で管理しやすい形です(ただしIRC記載の事業目的・所在地や労働許可・外貨管理などの制約は残り、"何もかも自由"ではありません)。
● "名義借り"は正規の進出形態ではない
「信頼できるベトナム人の名義を借りれば、外資の手続きを省けて早くて安い」——こうした名義借り(ノミニー)の話をよく耳にします。しかしこれは正式な進出スキームではなく、外資規制を実質的に回避する非正規の方法です。実質的な出資者・経営者は外国人なのに名目上ベトナム人を所有者として登録する形には、次のリスクが伴います。
- 企業登録や社員・株主名簿の上ではベトナム人名義人が持分保有者として扱われ、外国側が実質的に資金を出していても会社法上の権利を直接行使できないおそれがある。関係悪化で店舗ごと乗っ取られる恐れもある(契約書での防衛にも限界がある)
- 出資・経営の実態と登録内容が一致しないため、投資登録・企業登録・外貨管理・税務・実質的支配者情報などの各規制に抵触する可能性がある(どの処分が及ぶかは具体的な構造と違反内容による)
- 名義信託契約の有効性が保証されず、紛争時に外国側の所有権を立証できないおそれがある。「後から正式な外資へ切り替える」ことも保証されない
つまり名義借りは「早い・安い」の裏で法的な地雷を抱え込む方法です。名義借りを前提に進めるのではなく、独資・真正な合弁・適法な持分取得などの正規スキームを専門家と検討してください。なお「まず小さく市場を試したい」だけなら、名義を借りる必要はありません(後述の現地視察)。
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3. 法人設立の流れ|IRC・ERCと"順番が変わった"2026年の新ルール
外資100%で進める場合、まず取得するのが以下の2つの基本書類です。どちらも「飲食営業そのものを許可するライセンス」ではなく、投資プロジェクトと法人の登録内容を記録する証明書です。
- IRC(投資登録証明書 / Investment Registration Certificate):外資の投資プロジェクトとして適格かを審査するもの。従来型のルートでは、申請時にプロジェクトの実施場所を特定し、その場所を使用できることを示す資料が必要でした。処理は法定で概ね15営業日が目安です(書類補正等で実務上は前後します)。
- ERC(企業登録証明書 / Enterprise Registration Certificate):日本でいう「登記簿謄本」に当たり、法人を正式に成立させるもの。法定の処理期間は概ね3営業日ですが、補正・確認を含めると実務上はこれを超えることがあります。
● 【重要】2026年3月から、順番が選べるようになった
ここが従来の解説から最も大きく変わった点です。新投資法(Law on Investment 143/2025/QH15)が2026年3月1日に施行され、その詳細を定める実施政令(Nghị định 96/2026/NĐ-CP)が2026年3月31日に施行されました。これにより、外資でも「ERC(法人設立)を先に取得し、IRCは後から完成させる」という"法人設立ファースト"の順番が選べるようになりました。
この新ルートでは先に法人格を得られるため、専門家との契約や(解除条件付きの)物件契約といった"準備行為"を、投資プロジェクトの正式登録を待たずに進めやすくなります。
- ERC先行で法人を作れても、IRCを取得するまでは"投資プロジェクトそのものの実施"(本格的な店舗工事・採用配置・営業開始など)はできません。「準備行為」と「プロジェクトの実施」は別物です。
- 法人設立から原則12か月以内にIRC取得手続きを完了する必要があり、それまでは事業目的の追加にも制限がかかります。
- 「IRCは12か月以内」と「資本金の払込みは原則90日以内」は別のルールです。「IRCは1年後でいいなら資本金もゆっくりで大丈夫」ではありません。資本金の払込期限・投資資本口座(DICA)の開設・投資スケジュールは同時に設計する必要があり、実務上はIRC申請も早めに進めるのが安全です。
● 「法人設立が先か、物件契約が先か」問題
「法人がないと物件を借りられないのでは?」「でもIRCには物件が要るのでは?」——ここで多くの方が混乱します。IRCには「プロジェクトの実施場所(所在地)」が記載されるため、住所と使用権限を示す資料は必要です。ただし必ずしも「無条件の正式賃貸借契約」とは限らず、案件によっては基本合意書(MOU)・条件付き賃貸契約・貸主の使用承諾で足りる場合もあります。従来型(IRC先行)は物件を押さえてから法人設立、新ルート(ERC先行)は法人名義で物件契約してからIRC、という流れが取りやすいのが違いです。
いずれにせよ、許認可条件や賃料発生日を設計しないまま正式契約を急ぐのは危険です。「その物件で本当に営業許可(特に消防)が下りるか」を確認してから契約する——これが鉄則です(詳しくは第5章)。
4. 開業に関わる主な許認可・手続き
外資100%で営業する場合、主に以下のライセンスが関わります。ただし一律の直列で進むわけではなく、一部は並行します。とくに「入居建物が消防・建築の要件を満たすか」の確認は、工事や他の申請より前に済ませるべき最初の関門です。
● ①法人・投資登録(IRC/ERC)
前章のとおり、法人・投資プロジェクトの基本書類です。まずこれを固めないと、営業に必要な各手続きの申請主体(法人)が存在しません。なお、ERC取得後は定款資本を原則90日以内に払い込む必要があり、外国直接投資に該当する資金は所定の投資資本口座(DICA)経由での送金が原則です(口座・送金の扱いは会社形態や資金の性質で異なるため、事前に銀行・専門家へ確認を)。
● ②食品安全衛生証明書
一般的な独立型レストランでは、食品安全適格施設証明書が営業の要になります(有効期間は通常3年)。厨房の動線・衛生管理・食材の保管が衛生基準を満たすかを証明するものです。なお、小規模食品事業者やホテル内レストランなど法令が定める特定の類型に該当すれば取得が免除される場合もありますが、単に席数や床面積が小さいだけで自動的に免除されるわけではありません。免除される場合も食品安全基準を守る義務は残ります。
取得のポイントは以下のとおりです。
- 内装がほぼ完了し厨房機器が搬入された段階で、保健当局による実地検査が行われる
- 食品を直接扱うスタッフと施設責任者の健康診断・食品安全の知識確認が求められる(食品に触れない全従業員まで一律に必要とは限らない)
- 厨房は、生食材・加熱済み食品・食器・廃棄物の動線が交差しないよう、交差汚染を防ぐ設計と運用が必要
● ③消防(PCCC)|2026年7月に手続きが変わった重要ポイント
消防は開業遅延の最大要因になってきた分野で、2025〜2026年で立て続けにルールが変わっています。土台は2024年成立の「消防・救助法(Law No. 55/2024/QH15)」と実施政令(Nghị định 105/2025/NĐ-CP、2025年7月1日施行)で、「着工前の設計審査(thẩm định)」と「完工後の検収(nghiệm thu)」が分けて定められていました。
ただし誤解は禁物です。政府・公安当局は「安全要件の緩和ではない」と明言しており、事業者側が設計・施工の消防適合を確認し、記録を作成・保存する責任は残ります。営業開始後の行政検査(事後監督=hậu kiểm)への対応も引き続き必要です。「当局が完工時にお墨付きを出す方式」から「事業者が自ら適合を確認し、当局が営業後に検査・是正する方式」へ比重が移った、と理解してください。
なお、消防設計審査の対象になるかは店舗単体ではなく、入居建物の用途・延床面積・階数・改修内容などで決まり、すべての飲食店が対象ではありません。対象施設には火災・爆発保険(強制保険)の加入義務も広がっています。自店が対象かは、物件が決まった早い段階で確認しましょう。
● ④酒類の提供(アルコールを出す場合)|こちらも2026年7月に暫定緩和
酒類は用語と時点が入り組むため正確に押さえます。まずベトナムの法律では「ビール(bia)」と「酒類(rượu)」が区別され、さらにrượuは度数5.5度未満と5.5度以上で一部規制が異なります。ここで「店内消費向けの提供」と「5.5度未満/以上の区分」は別々の規制軸なので、混同しないのがポイントです。従来、5.5度以上のrượuを店内提供する飲食店は、当局への「登録(đăng ký)」の対象でした(「許可」ではありません)。ビールはこの店内提供登録の対象外ですが、"無規制"ではなく年齢・広告規制や食品安全は共通で適用されます。
なお暫定緩和は「何を仕入れてもよい」の意味ではなく、密輸品・無表示品・出所不明品を扱ってはいけない点は変わりません。仕入れ先は正規の事業者を選ぶのが基本です。
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5. 日本人がつまずきやすい"落とし穴"と回避策
制度そのものより、実務のかみ合わせでつまずくケースが大半です。現地で実際に多い落とし穴を挙げます。
● 落とし穴①:物件を先に契約してしまい、許可が下りない
いちばん多いのがこれです。入居ビル自体が消防・建築の要件を満たしていないと、どれだけ内装にお金をかけても営業にたどり着けません。とくに古いビルや雑居ビルの上層階は要注意。「立地が気に入ったから」と先に契約 → 後から要件を満たせない、を避けるため、契約前に「その物件で消防・食品安全の要件を現実にクリアできるか」を必ず確認しましょう。ショッピングセンター内の区画は建物全体の書類が揃いやすい一方、区画ごとの飲食用途の適合(排煙・排気・グリーストラップ・ガス使用可否など)は個別確認が必要で、「モール内だから安心」とは一括りにできません。
あわせて、貸主側の確認も欠かせません。貸主が真正な所有者か、転貸(サブリース)の権限があるか、共有者・配偶者の同意があるか、建物に違法増築がないか、抵当権が付いていないか——ここを飛ばすと、契約後にIRC・税務・店舗の占有で問題が起きます。
● 落とし穴②:消防(PCCC)を「もう検査がないから大丈夫」と誤解する
第4章のとおり、2026年7月から当局による完工後の検収確認手続きは停止されましたが、「もう気にしなくていい」と受け取ると危険です。設計・施工の適合義務は残り、営業開始後は行政検査(事後監督)や違反時の是正・処分の対象になります。基準を満たさない店は、最悪は営業停止のリスクを負います。物件によっては着工前の設計審査の対象にもなるため、内装業者選びの段階で「消防要件に対応できるか」を確認し、"確認手続きがなくなったぶん自己責任で確実に適合させる"姿勢で進めるのが近道です。
● 落とし穴③:名義借りの「乗っ取り」とペナルティ
第2章で触れたとおり、名義借りは登録・名簿上ベトナム人が持分保有者として扱われ、外国側が実質的に資金を出していても会社法上の権利を直接行使できないおそれがあります。加えて外資規制の実質的な回避として各規制に抵触し得ます。関係が良好なうちは問題が見えませんが、利益が出始めた頃にトラブル化しやすいのが実情です。安さ・速さの裏にあるこのリスクは、必ず天秤にかけてください。
● 落とし穴④:行政の窓口が2025年に変わった
見落とされがちですが、2025年の行政再編により、従来の県・郡・区に相当する中間行政レベルは廃止され、省・中央直轄市と社・坊を中心とする二層型行政へ移行しました。これに伴い、各種登録・許認可の提出窓口が移管された手続きが多くあります。たとえば、従来は投資関連を一律「計画投資局(DPI)」が扱っていたのが、案件の性質によって「財務局」等へ移る例が出ています。さらに2026年7月の第66.18号決議でも分野ごとに提出先が変わっています。旧区・郡名が住所や書類に残る場合もありますが、行政上の提出先は新体制に基づき、手続きごとに最新情報で確認してください。2024年以前の記事の「区の経済課へ」といった案内は、現行と食い違います。
● 落とし穴⑤:酒類は「今の暫定緩和」を前提に組み立てない
第4章のとおり、店内酒類提供の登録・事業条件は2026年7月から暫定停止中ですが、これは2027年2月末までの措置で、その後は後続法令次第です。「今は登録不要だから」と長期の営業設計を組まず、仕入れ先を正規の事業者で固めつつ、2027年3月以降の制度を当局・専門家に確認しながら進めましょう。
6. その他に必要な主な手続き(税務・労務・環境など)
この記事では法人設立・食品安全・消防・酒類という開業の主要ラインを扱いましたが、実際の開業では、以下のような手続きも並行して進める必要があります。「店を開けるための許可」だけでなく、「事業を回すための土台」も同時に整えるイメージです。
- 税務登録・電子インボイス:ERC取得後の税コード登録、電子インボイス(hóa đơn điện tử)の導入。ベトナムでは電子インボイスが必須です。
- 資本金の払込み・投資資本口座:定款資本を原則90日以内(有限責任会社の場合)に払い込み、外国直接投資に該当する資金はDICA経由で送金。
- 労務・外国人の労働許可:スタッフの労働契約・社会保険に加え、会社の株主・出資者になっただけでは、当然に店舗で就労できるわけではありません。日本人が現地で店長・料理長・代表者として働くには、出資額・役職・業務内容に応じて労働許可(またはその免除確認)と在留資格が必要です。
- 物販・持ち帰り販売:店内で提供する飲食サービスと、ボトルの持ち帰り販売・店頭物販・EC・輸入・卸売は法的に別の活動です。レジ横で商品を売るだけでも、IRC/ERC上の事業内容や外資の流通・小売規制の確認が必要になります。
- 環境・排水・厨房排気:環境許可・登録の対象外でも、排水・廃油・一般廃棄物・臭気・騒音・厨房排気について、建物規則や地方基準への適合が必要です。
- 屋外看板・広告:店頭サイン・広告表示にも規制があり、設置には確認が必要な場合があります。
これらは業態・規模・物件によって要否や順番が変わります。「何が・いつ・誰の名義で必要か」を最初に棚卸ししておくと、後戻りを防げます。
7. まとめ|失敗しない開業の進め方
最後に、2026年7月時点の制度をふまえた要点を整理します。
- 店内調理の一般的なレストランは原則100%外資で開業できる(輸入・卸売・小売・製造の併営は別途確認)
- 開業までの通しは、順調な案件で約4〜6か月(路面店の改修案件は6〜9か月以上も想定)
- 2026年3月以降、外資でも「ERC先行」ルートが選べる。ただし設立から12か月以内にIRCを取得し、IRC前にプロジェクト実施は不可
- 消防は2026年7月から当局の検収確認手続きが停止され、事業者の自己適合確認+事後監督へ(基準そのものは緩んでいない)
- 店内酒類提供の登録・事業条件は2026年7月〜2027年2月末まで暫定停止(恒久廃止ではなく2027年3月以降は要確認)
- 最大の落とし穴は「物件を先に契約してしまう」こと。契約前の消防・建築の適合確認が命綱
● スキーム選びの目安
- 資金力があり、ブランドを長期で確立・保護したいなら → 外資100%(独資)。初期のコスト・時間は参入障壁と割り切る。
- 現地パートナーの協力を得たいなら → 真正な合弁やM&A、フランチャイズなど、正規の選択肢を検討。
- 低予算でまず市場を試したいだけなら → 名義借りは不要。次の「小さく試す」入り口が有効です。
● 「いきなり出店」の前に、小さく試すという選択肢
「手続きは分かったが、そもそも自分の業態がホーチミンで通用するのか不安」という方も多いはずです。私たちフードコネクションベトナムは、「小さく始めて、見極めてから広げる」という進め方をおすすめしています。
- 検討段階(出店前)=現地視察:繁盛店・相場・物件・生活環境を現地でご自身の目で確かめるプラン。1万円から小さく始められ、名義を借りずに競合状況・価格帯・客層・商圏・物件相場といった市場環境を確認できます。
- 実行段階(出店を決めたら):スタッフの採用・雇用を弊社が代行し(採用スタッフの賃金はお客様負担)、レシピ提供によるお試し出店も可能。現地に自社物件を保有し、デリバリー/ゴーストレストラン用スペースも運営しているため、低コストな出店形態から選べます。法人設立・ライセンス申請・バックオフィスまで一括でサポートします。
「意外と必要になる資金」も含め、資金計画そのものからご相談いただけます。まずは現地に詳しい私たちにご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法務・税務上の助言ではありません。ベトナムの許認可・行政手続きは2025〜2026年に大きく改正されており、窓口・手続き・運用は流動的です。具体的な進め方は、必ず最新の当局情報および現地の専門家にご確認ください。
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▽この記事の監修者
フードコネクションベトナム 林 吉祥
映像制作・フロントエンドエンジニア・WEBデザイナーを経て、2014年よりベトナムへ。
現地法人の立ち上げから携わり、4名の組織を40名まで育てたマネージャー。
長年のホーチミン生活で培ったリアルな視点から、現地の気づきを発信していきます。

