
フードコネクションベトナムディレクターの親盛です。現在、ベトナム・ホーチミンを拠点に、
日系飲食店様の海外進出支援およびマーケティング業務に携わっています。
日々、経営者の方から多くいただくご相談が、次のようなものです。
- ・海外進出を考えているが、どの国が自社に合うのかわからない
- ・国ごとの初期投資やリスクを、横並びで比較したい
- ・ベトナム・タイ・インドネシア…違いが整理できていない
東南アジアと一括りにされがちですが、市場の成熟度・宗教による食文化・外資規制・撤退のしやすさは、国によって大きく異なります。
「なんとなく成長していそうだから」
「知り合いがいるから」
── こうした理由だけで国を選ぶことは、
失敗への最短ルートになりかねません。
本記事では、ベトナム・タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシアの主要5か国について、
- ✔ 進出条件の横断比較
- ✔ 向いている企業タイプ
- ✔ 判断を誤りやすいポイント
を整理します。
まずは、自社にとって「まず検討すべき国」が30秒でわかる診断から見ていきましょう。
※本記事は、特定の国への進出を勧めるものではなく、経営判断の材料として「比較」と「整理」を行うことを目的としています。
▼ この記事でわかること
- 【30秒診断】自社に合う進出国の方向性
- 5か国の「初期投資・規制・難易度」比較
- 各国の市場特性と、向いている業態・企業像
まずは細かい制度や数字を見る前に、
「自社がどの国に向いていそうか」を大まかに整理してみましょう。
目次
1. 【30秒診断】失敗しない国の選び方
海外進出では、「どの国が儲かるか」よりも「自社の条件と合っているか」が重要です。
以下の2つの質問から、自社に合う国の方向性を整理してみてください。
Q1. 初期投資(資本金+出店費用)の目安は?
- 〜2,000万円以内 → A:ベトナム
- 2,000万〜4,000万円 → B:タイ
- 4,000万円以上 → C:シンガポール、D:マレーシア、E:インドネシア
Q2. 海外進出の最大の目的は?
- 低リスクで早く軌道に乗せたい → A:ベトナム
- 日本食が定着した市場で出店したい → B:タイ
- ブランド価値・実績づくり → C:シンガポール
- 英語圏・高単価市場を狙いたい → D:マレーシア
- 中長期で巨大市場を取りに行きたい → E:インドネシア
診断結果は、あくまで方向性を掴むためのものです。
ここからは、各国の立ち位置と向いている企業像を簡潔に整理します。
2. 診断結果|国別の基本ポジション
【A】ベトナム 🇻🇳
低リスク・高成長で「最初の成功体験」を作りやすい国
向いている企業: 初めての海外進出/多店舗展開志向/居酒屋業態
特徴: 外資100%で比較的少額から進出可能。酒・豚肉OK、日本食との親和性が非常に高い。
注意点: トレンドの移り変わりが早く、スピード感が必要。
【B】タイ 🇹🇭
日本食成熟市場。実力が試される国
向いている企業: 日本国内での実績があり、明確な強みを持つ企業
特徴: 日本食が完全に定着。教育コストは低い。
注意点: 競合過多。現地パートナー(資本規制)との関係構築が鍵。
【C】シンガポール 🇸🇬
富裕層・高単価。ブランド戦略向け
向いている企業: 高単価業態/十分な資金力/海外実績づくり
特徴: 透明性の高いビジネス環境。高価格帯でも成立。
注意点: 家賃・人件費が非常に高く、利益回収は難易度が高い。
【D】マレーシア 🇲🇾
英語圏・親日だが「ハラルと資本金」が鍵
向いている企業: ハラル対応可能/英語で事業運営したい企業
特徴: 親日・英語圏で働きやすい。所得水準も高め。
注意点: 実務上1,700万〜3,400万円程度の資本金が必要。豚・酒を使わない戦略設計が必須。
【E】インドネシア 🇮🇩
人口2.8億人。中長期前提の巨大市場
向いている企業: ハラル完全対応/長期視点で市場を取りに行ける企業
特徴: 圧倒的な人口ボーナスと将来性。
注意点: 投資要件・制度理解・撤退判断の難易度が高い。
各国の特徴を個別に見るだけでは、判断が感覚的になりがちです。
次に、進出判断に直結する条件を横並びで比較します。
3. 【5か国比較】進出条件の横断整理(目安)
各国の特徴を感覚的に語るだけでは、正しい進出判断はできません。
海外飲食店進出では、
「市場が大きい=成功しやすい」
「親日国=簡単に出店できる」
といった思い込みが、失敗の原因になることも多くあります。
そこで本章では、進出検討時に経営判断へ直結する条件を横断的に整理しました。
| 比較項目 | ベトナム 🇻🇳 | タイ 🇹🇭 | シンガポール 🇸🇬 | マレーシア 🇲🇾 | インドネシア 🇮🇩 |
|---|---|---|---|---|---|
| 市場規模 | 約1億人 | 約7,000万人 | 約600万人 | 約3,400万人 | 約2.8億人 |
| 市場の成長性 | 高い | 中程度 | 低め | 中程度 | 非常に高い |
| 初期投資感 | 低い | 中程度 | 非常に高い | 中程度 | 低い〜中程度 |
| 外資規制 | 緩い(100%可) | 厳しい(原則49%) | なし | やや厳しい | 緩い(100%可) |
| 食文化親和性 | 非常に高い | 高い | 中程度 | 低め | 低め |
| 酒・豚肉自由度 | 高い | 高い | 中程度 | 低い | 非常に低い |
| 進出難易度 | 低い | 中程度 | 非常に高い | 高い | 高い |
※あくまで一般的な目安であり、業態・都市・進出スキームによって条件は大きく変わります。
比較してみると、「成長している国」と「自社に合う国」が必ずしも一致しないことが見えてきます。
最後に、本記事の要点を整理します。
4. まとめ|「どこが良いか」ではなく「どこが合うか」
東南アジア進出に、万人向けの正解はありません。
- ベトナム:低リスク・高成長
- タイ:成熟市場・競争環境
- シンガポール:高単価・ブランディング
- マレーシア:英語圏・ハラル戦略
- インドネシア:巨大市場・中長期視点
重要なのは、自社の業態・資金・目的と照らして、勝率の高い国を選ぶことです。
とはいえ、「自社の場合はどこが現実的か」を一人で判断するのは簡単ではありません。
無料相談のご案内
まだ国を決めきれていない、自社条件で現実的な選択肢を整理したい、そのような方向けに、5か国を横断した比較整理・進出方向性の無料相談を行っています。
- どの国から検討すべきか
- 進出・撤退の判断軸
- 想定される初期費用レンジ
進出ありきではなく、まずは情報収集の一環としてお気軽にご利用ください。






























