
フードコネクションベトナムディレクターの親盛です。現在、ベトナムのホーチミンを拠点に、日系飲食店様の海外進出支援やマーケティング業務に携わっています。日々、多くの経営者様と打ち合わせをさせていただく中で、
「急成長中のベトナムも魅力的だが、市場規模の大きいタイも捨てがたい」
「タイは競合が多いと聞くが、今から参入して勝てるのか?」
といったご相談を頻繁にいただきます。
実際, タイは東南アジア随一の日本食激戦区であり, 世界有数の観光大国です。バンコクを中心に日本食はすでに市民権を得ており, 市場は成熟しています。その一方で, 出資規制・コスト構造・競争環境は, 成長期にあるベトナムとは大きく異なり, 「勢いだけで出店すると失敗しやすい国」でもあります。
そこで本記事では,
「タイで飲食店を開業することは本当に可能なのか」
「どのような条件を満たせば勝ち目があるのか」
といった経営者視点の疑問に対し, 単なる手続き解説にとどまらず, 費用感・開業ステップ・成功と失敗の分かれ目を含めて徹底解説します。
▼ もし今、こんなことで迷っているなら
- ✔タイとベトナム、どちらを検討すべきか判断がつかない
- ✔自社の業態・価格帯がタイ市場で通用するのか知りたい
- ✔進出するなら、失敗リスクをできるだけ下げたい
記事を読み進める前に、「自社はどちらを検討すべきか」だけでも整理したい方は、まずはお気軽にご相談ください。
これから東南アジアでの飲食店展開を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
まずは、なぜ今でもタイ市場が日本の飲食店にとって魅力的なのか、その全体像から整理していきましょう。
目次
1. タイ市場の現状とビジネスチャンス
タイは人口約7,000万人を擁し、1人当たりGDPでも東南アジア上位に位置する、非常に魅力的な市場です。日系企業にとって追い風となる、現在のタイ市場の3つの大きな特徴をご紹介します。
成熟した日本食文化
現在, タイ国内の日本食レストラン数は約6,000店舗(JETRO調査等参考)に達し, バンコクだけでなく地方都市へも拡大を続けています。特筆すべきは消費者の「日本食リテラシー」の高さです。寿司やラーメンだけでなく, おまかせコースや専門料理への理解も深く, 現地の消費者の舌は非常に肥えています。
高い購買力と消費意欲
バンコクの富裕層・中間層の購買力は非常に高く, 日本国内と同等, あるいはそれ以上の消費意欲があります。客単価3,000円〜5,000円(約700〜1,200バーツ), あるいはそれ以上の高価格帯であっても, 品質とサービスが伴えば十分に成立する市場です。
インフラの充実
ビジネスを展開する環境も極めて整っています。食材のコールドチェーン(低温流通網)や厨房機器の調達が容易であることに加え, Grab, Foodpanda, LINE MANといったデリバリープラットフォームが生活に浸透しており, 販路の多角化がしやすい環境にあります。
このように市場としての魅力がある一方で, タイ進出には日本とは大きく異なる制度やルールが存在します。次に, 実際に開業するまでの具体的なステップを確認していきます。
2. タイ飲食店進出の実務ステップ
タイで飲食店を開業するには, 日本とは異なる法人制度・出資規制・就労ルールを前提に, 段階的に準備を進める必要があります。ここでは, 開業までの全体像を実務ベースの流れで整理します。
STEP1:事業形態の決定とパートナー探し
最初に決めるべきは、「誰とやるか(資本構成)」です。 これは、後続の法人設立・ビザ・ライセンス取得すべてに影響するためです。タイの外国人事業法(FBA)により、飲食業は原則として外国人の出資比率が49%以下に制限されています。
そのため、日本人オーナーが単独で100%出資することはできず、タイ人株主(名義・実質)との共同出資が必要になります。
この出資構成は、法人設立、飲食店ライセンス、銀行口座開設のすべてに影響するため、最初の設計ミスが後工程で大きなトラブルになるポイントです。
※100%外資で行うには、BOI(タイ投資委員会)の認可やFBL(外国人事業ライセンス)が必要ですが、一般的な飲食店ではハードルが非常に高いため、信頼できるタイ人パートナーとの合弁が主流です。
STEP2:法人設立と資本金の設定
パートナーが決まったら、商務省(DBD)へ法人登記を行います。 タイで飲食店を営業する場合、原則としてタイ法人(Company Limited)の設立が必要です。個人名義や日本法人の支店として飲食店を営業することは、認可やビザの観点から一般的ではありません。
この段階で登記住所、取締役構成を決定しますが、駐在員のビザ取得条件に直結するため、特に重要なのが「資本金」と「雇用計画」です。
【重要】日本人オーナーの就労とビザ要件
日本人がタイで飲食店経営に関わる場合、ビザ(Non-B)とワークパーミット(就労許可)の取得が必須です。「オーナー=働いていない」という扱いは通用せず、店舗管理、スタッフ指導、経営判断を行うだけでも就労とみなされます。
そのため、ワークパーミットを取得するための以下の基準を満たすように、設立時の資本金を設定する必要があります。
- 資本金の額: 外国人が1人働くごとに、最低200万バーツ(約860万円)の資本金が必要です。
- タイ人雇用義務: 外国人が1人働くごとに、4名のタイ人スタッフの雇用が義務付けられています。
この「日本人1名につき資本金200万バーツ+タイ人4名」という条件をクリアできる事業計画になっているか、設立前に必ず確認しましょう。
STEP3:物件選定と賃貸契約
法人登記と並行して物件を探しますが, タイ特有の「酒類販売規制エリア」に注意が必要です。
物件選定: スクンビット, サイアム, トンローといったバンコクの一等地は集客力が高い一方で, 家賃が高騰しているエリアでもあります。立地のイメージだけで判断せず, 時間帯別の通行量調査や周辺競合の確認を行ったうえで慎重に検討することが重要です。
酒類販売NGエリア: 学校・寺院の周辺(距離規定あり)では, お酒の販売許可が降りません。居抜き物件であっても新規取得が必要なため, 契約前の確認が必須です。
STEP4:就労ビザ(Non-B)と労働許可証(WP)の取得
会社ができたら、駐在員のビザ手続きに入ります。
Non-Bビザ取得: 日本(または近隣国のタイ大使館)でビジネスビザを取得し, 入国。
ワークパーミット(WP)取得: タイ入国後、労働局でWPを申請・取得。
タイでは「オーナーだから働かなくてもいい」という理屈は通じません。店舗管理、スタッフ指導、経営判断を行うだけでも「就労」とみなされるため、必ずご自身のWP取得が必要です。WPが発行されるまでは、店舗での作業(皿洗いや接客を含む)は原則として認められていないため, 十分な注意が必要です。
STEP5:内装工事と各種ライセンス取得
物件の引き渡し後、内装工事を行いながら、営業に必要なライセンスを申請します。
飲食店営業許可: 内装完成後の検査が必要です。
酒類・タバコ販売免許: 物品税局へ申請します。なお、酒類は販売可能時間が11:00〜14:00、17:00〜24:00に制限されているため、営業時間の設計に注意が必要です。
VAT(付加価値税)登録: 年商180万バーツを超える見込みがある場合(通常の飲食店はほぼ該当)は必須です。
STEP6:開業準備と価格設定(++の決定)〜オープン
ライセンス取得と並行して、厨房設備の導入、メニュー開発、スタッフ採用・教育、メニュー設計を経て、正式オープンとなります。
ここで重要なのが, タイ独特の価格表記「++(プラスプラス)」への対応です。これは, メニュー価格とは別にサービス料(10%)とVAT(7%)を会計時に加算する方式のことです。
この段階で, 自店が「++」を採用するか, すべて込みの「NET表示」にするかを決めておかないと, 後の利益計算やメニュー作成で大きな手戻りが発生します。
(※「++」か「NET」かの戦略判断については, 第4章で詳しく解説します)
ここまでの全工程を完了するには, 最短でも3〜4ヶ月, 通常は半年程度の期間を見込んでおく必要があります。
3. 進出にかかる費用目安
タイ(主にバンコク)で飲食店を開業する場合、初期投資の総額は立地・規模・業態・内装クオリティによって大きく変動しますが、近年はコストが上昇傾向にあり、路面の標準的なレストラン業態であれば約2,500万〜5,000万円程度の資金準備が一つの目安になります。(1バーツ=4.3円で計算)
一方で、ショッピングモール内の小規模店やカフェ業態などでは、規模や設備を抑えることで、1,000万〜2,000万円台での出店が可能なケースもあります。
| 項目 | 目安費用(日本円) | 備考 |
|---|---|---|
| 法人設立・ライセンス | 約80万〜150万円 | 弁護士・コンサル費用含む |
| 最低資本金(1名派遣時) | 約860万円〜 | 払込が必要(事業資金に充当可) |
| 店舗家賃(月額) | 約40万〜150万円 | バンコク人気エリアの場合 |
| 内装・設備工事 | 約1,500万〜4,000万円 | 施工クオリティにより大きく変動 |
| スタッフ給与 | 約8万〜15万円/人 | 店長・シェフクラスはさらに高額 |
各項目の補足
法人設立・資本金:日本人駐在員が労働許可証(ワークパーミット)を取得するためには、日本人1名につき最低200万バーツ(約860万円〜)の資本金が必要です。この資本金は会社の銀行口座に払い込んだ後、事業資金として使用可能です。
店舗家賃:スクンビットなどの人気エリアでは賃料が高騰しています。契約時には通常, 賃料の3〜4ヶ月分のデポジット(保証金)が必要となります。
内装・設備工事:日本と同等の施工品質やデザイン性を求めると, 日本国内よりも割高になるケースが増えています。資材の輸入コストや, 信頼できる日系施工業者の利用などが要因です。
人件費:タイの最低賃金は上昇傾向にあります。特に日本語が話せるスタッフや経験豊富なマネージャークラスの人件費は高騰しています。
4. タイで勝つためのキーワード
タイ市場での成功の鍵を握る, 3つの重要な視点について解説します。
「本物」か「現地化」か
かつては「タイ人の口に合わせた味付け(甘く, 濃くする)」が定石とされていましたが, 現在は市場が二極化しています。
本物志向(ハイエンド・富裕層向け): 訪日経験豊富な層は, 日本と全く変わらない「本物の味と体験」を求めています。ここでは妥協のない日本品質(Japan Quality)が高く評価されます。
現地化(マス・中間層向け): より幅広い層を取り込むには, サーモンやマヨネーズを多用したメニューや, 現地の嗜好に合わせたスパイシーな味付けなど, 大胆なローカライズが不可欠です。
SNS映え(Cafe Hopping)
タイは世界有数のSNS大国です。Facebook, Instagram, TikTokはお店探しの主要ツールであり, 「SNS映え」は単なる流行ではなく, 集客の絶対条件です。
Cafe Hopping文化: 週末にカフェやレストランを巡り, 写真を撮ってSNSにアップする文化が深く根付いています。
視覚的インパクト: 料理の味がおいしいのは大前提として, 思わず写真を撮りたくなる「内装デザイン」「照明」「盛り付け」がなければ, 情報が拡散されず, 集客に苦戦することになります。
「++(プラスプラス)」と価格戦略
タイの飲食ビジネスにおける独特の会計慣習を理解し, 適切な価格設定を行う必要があります。
サービス料とVAT: 中級以上のレストランでは, メニュー表示価格にサービス料10%を加算し, その合計金額にVAT(付加価値税)7%が課税されるスタイルが一般的で, 通称「++(プラスプラス)」と呼ばれます。
戦略としての使い分け: 高級店ではサービス料を徴収する代わりに質の高い接客やサービス品質が求められます。一方, カジュアル業態やファストフードでは「VAT・サ込み(NET価格)」を打ち出すことで, 消費者にとっての分かりやすさやお得感を訴求する戦略も有効です。
5. 【徹底比較】ベトナム進出 vs タイ進出
隣国でありながら, 市場の成熟度・外資規制・コスト構造が大きく異なるベトナムとタイ。飲食店の海外展開においては, 「どちらが良いか」ではなく, 自社の戦略や成長フェーズにどちらが合うかを見極めることが重要です。
| 比較項目 | ベトナム進出 🇻🇳 | タイ進出 🇹🇭 |
|---|---|---|
| 市場フェーズ | 成長期。 競合が少なく、先行者利益を狙える。 |
成熟期。 競合が非常に多く、差別化が困難。 |
| 外資規制 | 飲食店は100%外資での進出が可能。 | 原則としてタイ人パートナー(51%)が必要。 |
| コスト構造 | 人件費・家賃ともにタイより安価. | 東南アジアの中ではコスト高。利益率の確保が課題。 |
| 日本食への理解 | これから深まる段階。 ポテンシャル大。 |
既に熟知されている。 目新しさがないと埋もれる。 |
| 運営の自由度 | 自社100%のため、意思決定が迅速. | パートナーとの合意形成が必要な場合がある。 |
6. 【失敗事例から学ぶ】タイ・ベトナム進出のリスクと対策
海外進出を成功させるために最も重要なのは, 「成功事例を真似ること」ではなく, 「よくある失敗パターンを避けること」です。隣国同士であるタイとベトナムですが, 市場の成熟度・コスト構造が異なるため, 陥りやすい「落とし穴」の性質も全く異なります。
タイ進出の失敗事例:成熟市場の「レッドオーシャン」の罠
タイ, 特にバンコクの市場はすでに成熟しきっており, 外食産業の二極化が急速に進んでいます。「日本食というだけで集客できる」時代は終わり, 明確な強みのない店は淘汰される運命にあります。加えて, タイ特有の「外資規制」も大きな障壁です。
事例①:大手天丼チェーン「てんや」のタイ撤退(2025年8月)
10年にわたりタイで展開していた大手チェーン「てんや」が、2025年8月をもって全店閉店しました。財閥系企業によるフランチャイズ運営という強力な基盤がありながらも、契約終了に伴う完全撤退となりました。
失敗の要因: タイ人の舌が肥え、日本食が「日常食」になったことで、単なる「日本ブランド」だけでは選ばれなくなったこと。また、現地資本の安価で高品質な競合店にシェアを奪われたことが背景にあります。
教訓: 成熟市場では、知名度や実績があっても, 市場との相性や差別化が曖昧なままでは継続が難しいという現実があります。
本来取るべき対策(いきなり本出店しない): 「最初からフルスペックで勝負しないこと」です。レシピ提供や期間限定運営などを通じて、「埋もれないかどうか」を見極めてから本格進出を判断する企業も増えています。
当社パートナーの支援について(参考)
当社パートナーでも、こうした考え方に基づき、本格出店の前にタイ市場との相性を検証できる形での運営支援を行っています。
事例②:パートナーシップの崩壊(49/51%の壁)
タイでは外資規制により、タイ人パートナーが51%以上の株式を持つ形での合弁が一般的です。
失敗の要因: 出店当初は関係が良好でも、経営方針のズレから、パートナーに店舗運営の実権を握られたり、資金を不透明に流用されたりするトラブルが絶えません。
教訓: 「所有権」を100%持てないリスクは、撤退時に「資産を全く回収できない」という最悪の結果を招きます。
本来取るべき対策(契約と権限を“最初に”設計する): 出資比率だけでなく、意思決定権・解約条件を明文化し、パートナー選定を「人柄」ではなく「役割と責任」で判断することが重要です。
当社パートナーの支援について(参考)
当社パートナーでは、飲食店進出に特化した形で、パートナー選定の整理や、実務に即した契約設計のサポートを行っています。
ベトナム進出の失敗事例:「トレンドの速さ」と「運営の甘さ」
ベトナムは「成長市場」ならではのスピード感が仇となるケースが目立ちます。また, 参入障壁が低い分, 「足元の運営体制」を軽視してしまいがちです。
事例③:人気カフェブランドの相次ぐ閉鎖(2025年上半期)
2025年上半期だけで、ベトナム全土で約5万件もの飲食店が閉店しました。10年以上続いた有名カフェ「Monkey in Black」の閉鎖は業界に衝撃を与えました。
失敗の要因: 若年層の「ブランドロイヤリティ(忠誠心)」が低く、新しい映えスポットができると客が瞬時に移動してしまうこと。
教訓: 「一度当たれば安泰」という考えは通用しません。常にメニューや体験をアップデートし続ける必要があります。
本来取るべき対策(開業後を見据えた運営設計): 開業前からSNSやプロモーションを運営フローの一部として組み込み、「育て続ける前提」で進出する企業が増えています。
当社パートナーの支援について(参考)
当社パートナーでは、日本人・現地スタッフ混合の体制で、ベトナム市場に即した集客・情報発信の支援を行っています。
事例④:法規制・衛生管理の軽視による営業停止リスク
失敗の要因: 現地のコネを過信し, 正式なライセンス取得を後回しにした結果, 当局の抜き打ち検査で営業停止・高額罰金に追い込まれる日本企業が後を絶ちません。
教訓: 成長市場であっても, 「グレーな運営」は長く続かないという前提に立つ必要があります。
本来取るべき対策(最初から“クリーン”な運営を前提にする): 必要な許認可を開業前に整理し, 非公式ルートや口約束に依存しない, 長期運営を前提とした設計が重要です。
当社パートナーの支援について(参考)
当社パートナーでは、最新の法規制に基づいた正規ルートでのライセンス取得・更新を前提とした支援を行っています。
次に、これら両国のリスクの質と、経営者が取るべき対策の違いを整理していきます。
【プロの視点】タイとベトナム, リスクの質はどう違う?
両国の失敗事例を比較すると, 「解決可能なリスクかどうか」に大きな違いがあります。
| 比較項目 | ベトナムの失敗(運営的リスク) | タイの失敗(構造的リスク) |
|---|---|---|
| 市場環境 | 成長途上。 競合が急増、「未開拓のニーズ」の見極めが重要。 |
飽和状態。 競合が強すぎて, 後発が割って入る隙間が少ない。 |
| 資本の自由度 | 完全自立。 100%外資が可能。自分の意思で全て決定できる。 |
他者依存。 タイ人パートナーに左右されるリスク。 |
| 撤退の難易度 | 比較的容易。 100%自社資産のため, 売却や整理がスムーズ. |
困難。 パートナーとの資産分配でもめることが多い。 |
| 主な敗因 | 「ローカル価格とのGAP」「管理がズサン」 | 「競合に負ける」「パートナーと揉める」 |
2025年, タイで出店した主な飲食店は, 「銀のさら」「焼肉ジャンボ」「名代宇奈とと」「極味や」「とんかつ捿」など錚々たる顔ぶれです。市場が成熟しているからこそ「ブランド力」のある企業の進出が続いています。
このようにリスクの質も, 求められる覚悟も異なる両国。「結局, うちの場合はどちらを選ぶべきなのか?」と迷われる方も多いはずです。そこで次は, 実際によくいただく質問をもとに, 判断のヒントをQ&A形式で整理します。
7. 【よくある質問】タイ・ベトナム進出でよく聞かれる疑問
Q1. タイとベトナム、どちらが初心者向きですか?
A. 一般的にはベトナムの方が初心者向きです。
ベトナムは外資100%出資が可能で、比較的シンプルな資本構成・意思決定ができます。一方、タイは市場が成熟している分、ブランド力、商品力に自信がある店舗が向いています。
Q2. タイとベトナム、どちらの市場が将来性がありますか?
A. 将来性の“質”が異なります。タイ: 市場は成熟。爆発的成長は難しいが, 勝ち筋が明確。ベトナム: 中間層拡大中。成長余地が大きく, 長期投資向き。「短期で黒字化したいか」「中長期でブランドを育てたいか」によって, 最適解は変わります。
Q3. タイ進出に必要な初期費用はどれくらいですか?
A. 小規模〜標準規模であれば1,500万〜3,000万円, バンコク中心部や内装にこだわる場合は2,500万〜5,000万円が目安です。物件取得費, 内装費, 法人設立費, ワークパーミット関連費用などが主な内訳です。
Q4. 100%外資(日本独資)での出店は可能ですか?現地パートナーは必須ですか?
A.例外的に可能ですがハードルが高く、一般的には現地パートナーが必要です。タイの「外国人事業法(FBA)」により、飲食業は原則として外資100%での経営が制限されています。
Q7. タイの飲食店開業に必要なライセンスは何ですか?
A: 1. 企業登録証明書、2. 飲食店営業許可、3. 酒類販売免許、4. たばこ販売免許、5. 看板税、6. 建物使用許可。
【補足:店内で音楽を流す場合】 著作権使用許諾(Music Copyright)
こちらは行政の許認可ではなく, 著作権管理事業者(MCTなど)との民間契約となります。ただし, 未契約のままBGMを流すと著作権法違反となり, 高額な罰金を請求されるリスクがあるため, 実務上は必須の手続きです。
ここまで、タイ・ベトナム進出に関してよくある疑問や不安を整理してきました。 これらを踏まえたうえで、最後に「それでもタイ進出が向いているのは、どんな経営者・業態なのか」を整理します。
8. 【結論】タイ進出が向いているのは、こんな経営者・業態
タイ進出が向いている経営者・業態
- 日本国内での成功モデルを、再現性高く展開できる事業者
- ブランド力・コンセプトで勝負できる店舗
- 現地パートナーやスタッフマネジメントに向き合える経営者
逆に、慎重に検討した方がいいケース
- まだ国内での勝ちパターンが固まっていない
- 初めての海外進出で、できるだけ初期リスクを抑えたい
- 市場拡大そのものを成長ドライバーにしたい
→ こうした場合は、ベトナムなど他国も含めて検討する価値があります。特にベトナムは「100%自社資本」でコントロールが可能であり、「自分たちのブランドを大きく育てたい」と考える経営者様には投資対効果が高いと言えるでしょう。
タイ進出は, 成熟しているからこそ, 自社の強み・再現性・ブランド力を正しく活かせれば, 東京での出店以上に成功確率を高められる可能性もあります。重要なのは, 「どの国が良いか」を議論することではなく, 「自社が, どの市場で, どの勝ち方ができるのか」を冷静に整理することです。
私たちは, タイ・ベトナム両国において, 市場調査・物件選定・法人設立・ライセンス取得までをワンストップで支援しています。
タイの激戦区で勝負すべきか
それとも, ベトナムの成長市場を取りに行くべきか
進出ありきではなく, 貴社の業態・規模・フェーズに合った国と戦略を客観的に整理したい方は, まずはお気軽にご相談ください。「自社の場合, どちらが現実的か」を一緒に見極めるところからお手伝いします。
9. 他国の進出も比較したい方へ
海外飲食店進出は, 国ごとに「初期投資」「規制」「勝ちやすい業態」が大きく異なります。タイは有力な選択肢の一つですが, ベトナム以外の国も含めて整理することで, 判断のブレを防ぐことができます。
▶ まずは5か国を横断比較したい方へ
【2026年最新版】東南アジア飲食店進出・5か国比較ハブガイド
(ベトナム/タイ/シンガポール/マレーシア/インドネシア)
上記記事では、 各国の進出条件・難易度・向いている企業タイプを 1ページで整理しています。
▶ 個別国の詳細を知りたい方はこちら
・ベトナムでの飲食店開業・出店ガイド(低資本・自由度重視)
・シンガポールでの飲食店開業・出店ガイド(富裕層・ブランド戦略)
・インドネシアでの飲食店開業・出店ガイド(人口ボーナス市場)
・マレーシアでの飲食店開業・出店(高単価・英語圏)
複数国を横断的に比較することで、 「自社にとって最も勝率の高い国」が見えてきます。
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