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2026.07.31
ロンタイン国際空港はホーチミンの「第2の玄関」?!開業時期・アクセス・飲食店への影響まで解説
フードコネクションベトナムディレクターの林です。2014年にベトナムに渡り、現在、ベトナム・ホーチミンを拠点に、飲食店様のホームページ制作・広告ディレクションや海外進出支援に携わっており、長年のホーチミン生活で培ったリアルな視点から、現地の気づきを発信していきます。
「ベトナムに巨大な新空港ができる」という話は、10年以上前から出ては消えてきました。私がホーチミンに来た2014年当時も「そのうちできるらしい」という噂話のレベルでした。
空気が変わったのは2021年1月、実際に着工してからです。そこから5年近くかけて工事が進み、2025年12月には最初の飛行機が着陸。そして2026年12月には商業運航が始まる予定です。2028年春までに、ホーチミンに飛んでくる長距離国際線は、原則すべてこの新しい空港に移ります。「どの空港に着くのか」「そこから候補地まで何分かかるのか」という前提が、数年のうちに書き換わるということです。
この記事では、ベトナム語の政府発表・現地報道をもとに、ロンタイン国際空港の最新情報を「進出を検討する飲食店オーナーの目線」で整理しました。単なるスペック紹介ではなく、視察の動線・食材の物流・既存の日系飲食エリアへの影響という3点に絞ってお届けします。
この記事の結論を3行で
- ロンタイン国際空港は2026年12月1日に商業運航開始予定。ホーチミン中心部から約40kmの位置にあり、移動には片道1時間程度を見込む必要があります。
- 国際線の移管は3段階。現行計画から読み取ると日本路線は2027年冬ダイヤ以降ですが、航空会社の判断で前倒しもあり得ます。
- 空港周辺での新規出店を急ぐ必要はなさそうです。レタントン・ファンビッチャンなど既存の日系飲食エリアへの直接的な影響は限定的で、人の流れが変わるとすればトゥーティエムの行政センター整備のほうが大きい要因です。
目次
1. ロンタイン国際空港とは?まず押さえる基本情報
ロンタイン国際空港(ベトナム語:Cảng hàng không quốc tế Long Thành)とは、ホーチミン市の東約40kmに建設されている、ベトナム最大規模の新国際空港です。全3期の工事が完了すると年間旅客1億人・貨物500万トンの処理能力を持ち、東南アジアのハブ空港を目指す国家プロジェクトとして位置づけられています。
まずは全体像を数字で押さえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Cảng hàng không quốc tế Long Thành(ロンタイン国際空港) |
| 空港コード | IATA:LTH / ICAO:VVLT |
| 所在地 | ドンナイ市ロンタイン坊(旧・ドンナイ省ロンタイン県) |
| ホーチミン中心部からの距離 | 約40〜43km(東方向) |
| 総面積 | 約5,000ha(第1期の工事区域は1,810ha) |
| 総投資額 | 約336.6兆ドン(国会決議94/2015では2014年単価で約160.3億USD。現在の為替なら約130億USD台に相当) |
| 第1期の投資額 | 約109.72兆ドン(決定692/QĐ-TTgによる2025年3月改定額。2020年5月のレートで約46.9億USD) |
| 第1期の処理能力 | 年間旅客2,500万人・貨物120万トン |
| 全期完成時の能力 | 年間旅客1億人・貨物500万トン |
| 旅客ターミナル | 約37万6,000㎡(蓮の花をモチーフにした中央棟+3ウイング) |
| 滑走路 | 4,000m×75m を第1期で2本(最終的に4本) |
| 対応機材 | 4F級。A380クラスの大型機に対応 |
| 着工 | 2021年1月5日 |
| 商業運航開始 | 2026年12月1日を予定(施設完成・検査・許認可の進捗が前提) |
ターミナルは地上1階+3階建てで屋根の最高部は約45.5m。館内中央に人工の滝と庭園が配置され、40か所の搭乗ブリッジを備えます。生体認証チェックインや自動手荷物預け入れを導入した「スマート空港」仕様です。
● 予約時に注意したい「SGN」と「LTH」問題
飲食店オーナーの方にとって、いちばん実務的な注意点がここです。
IATAは2025年8月5日にロンタイン空港へ「LTH」というコードを付与しました。そしてIATAのデータベース上、LTHとSGN(タンソンニャット)はどちらも「ホーチミン都市圏に就航する空港」として登録されています。ソウルの金浦と仁川、東京の羽田と成田と同じ扱いです。
● 場所は「ドンナイ市」に変わっています
数年前の記事では「ドンナイ省ロンタイン県」と書かれていますが、現在の行政区分とは一致しません。
2025年6月の国会決議202/2025/QH15で全国の省級行政単位が63から34に再編され、ドンナイ省とビンフオック省が統合。さらに決議30/2026/QH16により、2026年4月30日からドンナイは「ドンナイ市(thành phố Đồng Nai)」となり、同日「ロンタイン坊(phường Long Thành)」も設置されました。物件探しや書類提出ではこの新表記が使われます。
ホーチミン市自体も2025年にビンズオン省・バリアブンタウ省と統合しているため、「ホーチミンとドンナイは隣接する2つの大都市」という構図で捉えると分かりやすいでしょう。
2. 開業は2026年12月1日。国際線は「3段階」で移ってくる
ロンタイン空港はいつから使えるのか。答えは「2026年12月1日から商業運航開始の予定」です。ただしすべての国際線が一斉に移るわけではなく、3段階に分けて2028年春までかけて移管されます。
ベトナム民間航空局は2026年7月末、ACV(ベトナム空港総公社)が提案した以下の移管スケジュールに同意したことを明らかにしました。
| 段階 | 期間 | 移管の内容 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 2026年12月1日〜2027年3月27日(2026年冬ダイヤ) | 各航空会社の希望ベースで国際線・貨物便を移管。強制ではない |
| 第2段階 | 2027年3月28日〜10月29日(2027年夏ダイヤ) | 欧州・南北アメリカ・オセアニア・アフリカ・中東・南アジア・中央アジア方面の長距離国際線と国際貨物が全面移管 |
| 第3段階 | 2027年10月30日〜2028年3月25日(2027年冬ダイヤ) | 残るすべての国際線が移管。ただしベトナム系航空会社が運航する1,000km未満の定期国際線は除く |
最終的にロンタイン空港は、1,000kmを超えるすべての国際線、不定期の国際便、タンソンニャットで枠が取れない新規路線を担います。国内線はベトナム系航空会社の自由選択制です。
なお政府は、移管の実施が空港施設・航空保安施設・接続交通・サービスの完成状況に左右されるとも明記しています。日付は計画値であり確定事項ではありません。
第1段階で移る路線も見えています。ベトナム航空はホーチミン発の北京大興・香港・広州・マニラの4路線(同社の国際便の約12%相当)を移す方針、ベトジェットエアは最低2路線の国際線運航を表明。ベトラベルエアラインズも2026年末からの運航を予定しています。
外国系ではKorean Air、ANA、キャセイパシフィック、日本航空を含む34社が協議・現地視察を行っている段階です。なお民間航空局は、ロンタインへ移る航空会社に対しタンソンニャットの発着枠(スロット)を保留する仕組みや、着陸料などの優遇策を検討するようACVに求めています。条件次第では移管が前倒しで進む可能性もあります。
● 日本路線はいつロンタインに移るのか
日本の飲食店オーナーにとって最大の関心事はここでしょう。
公表された第2段階の対象地域リストには、東北アジア(日本・韓国・台湾など)は含まれていません。したがって現行の移管計画をそのまま適用すれば、日本路線は第3段階、すなわち2027年10月30日開始の冬ダイヤの対象になります。逆算すると、少なくとも2027年秋までは、日本からホーチミンへ飛べば従来どおりタンソンニャット空港に着く可能性が高いということです。
ただし第1段階では航空会社の自主的な移管が認められているため、前倒しもあり得ます。JALやANAの個別方針は本記事執筆時点で公表されていません。2027年以降にベトナム視察を計画される場合は、航空券の発券前に発着空港を必ず確認してください。
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3. タンソンニャット空港はなくならない。2空港の役割分担
「新空港ができたらタンソンニャットは閉鎖される」という話も昔からありますが、現行の計画とは異なります。
同空港は2025年4月に新ターミナルT3(年間2,000万人)が完成し、全体の処理能力が年間5,000万人に拡大しました。T3稼働前は設計能力を超える年間4,000万人以上が利用しており、この増強でようやく余裕が生まれた形です。増強したばかりの施設ですから、国内線拠点としての役割は当面維持されると見るのが自然でしょう。
当局は「機械的に全便を移す」のではなく、市場ごとに役割を分ける方針を採っています。
| ロンタイン空港(LTH) | タンソンニャット空港(SGN) | |
|---|---|---|
| 中心部からの距離 | 約40〜43km | 約8〜10km |
| 主な役割 | 1,000km超の国際線/国際貨物/不定期便・新規路線 | 国内線ネットワーク/ベトナム系航空会社が運航する1,000km未満の定期国際線 |
| 処理能力 | 年間2,500万人(第1期) | 年間5,000万人 |
| 2028年春以降の姿 | 南部の国際ゲートウェイ | 基本的に国内線中心の空港 |
● 「近距離だから中心部の空港に着く」とは限らない
ここは誤解しやすいポイントです。第3段階でタンソンニャットに残る国際線の条件は「距離が1,000km未満」だけでなく、「ベトナム系航空会社が運航する定期便であること」も含みます。同じ近距離路線でも、外国の航空会社が飛ばす便はロンタインへ移る可能性があるということです。
したがって国内線の利用客はタンソンニャット中心になる見込みですが、国際線の観光客がどちらに降りるかは路線ごとに分かれます。中心部の店舗の客足がどう変わるかは、現時点では読み切れないというのが正直なところです。
4. アクセス:いまの「40〜50分」と2030年の「20分台」
現地でもっとも議論されているのが、この移動時間の問題です。
現状、ホーチミン中心部から空港へ向かう幹線は、ホーチミン–ロンタイン–ザウザイ高速道路(CT01)がほぼ唯一。現地報道では、道路状況が良ければ中心部からロンタイン一帯まで40〜50分との試算が出ています。
ただしこれは道路条件からの推定であり、商業運航前のため空港利用者の実績値ではありません。アンフー交差点付近から高速入口までの渋滞は慢性化しており、雨天や夕方のラッシュ時にはさらに延びます。開港初期は1時間以上を見込むのが安全です。CT01自体も現在拡幅工事中で、完成目標は2027年第1四半期とされています。
● 車:接続道路が2026年に集中して整備中
裏を返せば、この渋滞は「道が1本しかないこと」が原因です。そこで接続道路の整備が2026年に集中しています。以下は2026年7月時点の状況です。
- ビエンホア–ブンタウ高速道路:5月18日に全線(約54km)が暫定開通。6月6日にはロンタインJCTの全ランプが開通し、CT01との相互乗り入れが可能に
- ベンルック–ロンタイン高速道路:2026年9月完成予定
- 環状3号線:タンバン–ニョンチャック区間は2025年8月から供用済み。区間ごとに9月30日から順次開通し、全線完成は2026年末が目標
- 省道25B・25C:拡幅工事中。25Cは8車線で空港1番ゲートへ直結
- 空港直結のT1・T2線:ACVが約2.6兆ドンを投じて整備、ほぼ完成済み
建設省次官は2026年末には接続の心配はなくなるとの見通しですが、実際の所要時間は開港後の実績を見るまで分かりません。
● バス:13路線が2026年12月から順次
ホーチミン市建設局は2026年4月、13の新規路線+既存4路線の調整という案を示しました。第1段階(2026年第3四半期〜)で快速2路線(サイゴンバスターミナル–ロンタイン、タンソンニャット–ロンタイン)を新設し、第3段階(2027年第4四半期)で残りを整備する構想です。
一方、7月28日の民間航空局の報告では、ドンナイ市内5路線+ホーチミンとの都市間10路線の整備が求められています。両者がどう統合されるかは公表資料からは分かりません。開港まで半年を切った時点でも、路線網は確定していないというのが実情です。運行開始は2026年12月が目標です。
● 鉄道:トゥーティエム–ロンタイン線
将来的な本命は鉄道です。トゥーティエム–ロンタイン線は、ホーチミン中心部と空港を20〜25分で結ぶ計画で、完成すれば移動のストレスは一変します。
ただし計画値は更新され続けています。2024年の事前調査では約41.8km・約84.7兆ドンでしたが、2026年時点では約47.7km・19駅・約175兆ドンに拡大し、着工目標も動いています。完成目標は2030年ですが、区間長・投資額・着工時期のいずれも変動しており、流動的と見ておくべきです。
| 手段 | 所要時間の目安 | 実用性の評価 |
|---|---|---|
| タクシー・配車アプリ | 40〜50分(渋滞時1時間超) | 現状の現実的な選択肢 |
| バス(2026年12月〜予定) | 運行条件は未確定 | 荷物が少ない場合の選択肢 |
| 鉄道(2030年目標) | 20〜25分(計画値) | 完成すれば最有力。ただし計画は流動的 |
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5. 新空港が飲食店の進出判断に与える3つの変化
では、ベトナムで飲食店を出そうと考えている方にとって、この新空港は何を意味するのか。3点に絞って整理します。
● 変化1:視察と出張の「時間コスト」が変わる
現在のタンソンニャットは中心部から8〜10km。着陸から1区のホテルまで30分程度で、午前着なら初日から物件を回れます。ロンタインになると片道1時間前後。1泊2日の弾丸視察では、往復2時間分の稼働時間が消える計算です。
対策は、往復の移動時間を最初から工程表に入れること。到着日の午後は空港寄りのドンナイ側・トゥードゥック側を見て、翌日に中心部へ移るといった動線設計が効いてきます。1泊2日ではなく2泊3日で組む判断も現実的になります。
● 変化2:食材物流は「変わるかもしれない」段階
ロンタイン空港は旅客だけの施設ではありません。第1期の段階で年間120万トンの貨物処理能力を備え、5,000haの敷地内には257haの航空物流エリアが確保されています。全期完成後は年間500万トンが目標です。
さらにドンナイ市は、空港を核とする約7,500ha規模の自由貿易区(FTZ)構想を進めています。航空物流・国際流通・保税倉庫・免税商業などを集約し、2030年に約15万人の高度人材雇用を見込む計画です。
ただし、ここは期待と事実をはっきり分けておく必要があります。
まず、物理的な処理能力と輸送単価は別の変数です。空輸コストは便数、貨物スペースの空き、通関実務、冷蔵設備、店舗までのラストワンマイル輸送で決まります。ターミナルが大きくなれば運賃が下がる、という話ではありません。さらに日本産の食肉・水産物・青果の持ち込みには検疫・食品安全の要件が課され、自由貿易区ができてもこれらは免除されません。FTZ自体も制度設計が確定していない構想段階です。
● 変化3:レタントン・ファンビッチャンへの影響は?
進出を検討する方が本当に気になるのは、おそらくここでしょう。レタントン(Lê Thánh Tôn)やファンビッチャン(Phan Xích Long)といった、日系飲食店が集まる既存のエリアに、新空港は何か影響を与えるのでしょうか。
結論から言うと、直接的な影響は限定的だと考えています。
レタントンもファンビッチャンも、空港へのアクセスの良さで発展してきた街ではありません。ホーチミン在住の日本人が第1区・フーニュアン区の周辺に多く暮らし、働いていることが土台にあって、そこに自然発生的に飲食店が集積した街です。空港がどこに移ろうと、日本人がホーチミンのどこに住み、どこで働くかという構造そのものは変わりません。中心部から空港までの距離が延びても、市内で暮らす人たちの生活圏(レタントン、ファンビッチャンを含む)はほぼそのまま残るというのが率直な見立てです。
一方で、まったく無関係とも言い切れない動きが一つあります。ホーチミン市はトゥーティエムに新しい行政センターを整備しており、2026年4月30日に着工しました。7月時点の報道によれば、事業用地は約46.7ha、ここで働く人は約8,000人、住民・企業の窓口対応だけでも1日1,500〜2,000人が訪れる計画です。これが動き出せば、周辺に新しい外食需要が生まれるのはほぼ確実でしょう。
まとめると、既存の日系飲食エリアへの直接的な影響は薄く、強いて新しい動きを挙げるならトゥーティエムですが、それも空港よりも行政センター移転が主な要因です。新空港ができたからといって、レタントンやファンビッチャンの出店戦略を今すぐ見直す必要はなさそうです。
6. 現地で指摘されている懸念点
ここまで前向きな話も多くなりましたが、現地報道では批判的な論点もはっきり出ています。進出判断の材料として、フラットにお伝えします。
懸念1:中心部から遠すぎるという反発
ホーチミン側からは、観光や医療ツーリズムの恩恵がドンナイ側に流れるという懸念が語られています。航空専門家からも、タンソンニャットの国際線機能を大幅に縮小することは経済効率の面で慎重な検討が必要だという意見が出ています。
懸念2:工期と移管計画の流動性
第1期の完成目標はもともと2025年で、これが2026年へずれ込みました。航空局自身も「最終段階の残作業量は依然として非常に大きい」と認めており、システム試験・機器校正・運航許可の工程が残っています。移管スケジュールも複数回変更されています。
懸念3:周辺インフラの同時完成リスク
空港が開業しても、接続道路が出揃わなければアクセスは改善しません。航空局はホーチミン市とドンナイ市に対し、接続交通の加速と宿泊・医療・物流サービスの整備を要請しています。要請が出ているということは、まだ揃っていないということです。バスの路線網も未確定のままです。
7. よくある質問
Q1. ロンタイン国際空港はいつ開港しますか?
2026年12月1日に商業運航を開始する予定です。2025年12月19日に3社の初便が着陸し、2026年9〜11月に3か月間の試験運用が予定されています。ただし施設の完成・検査・許認可の進捗が前提で、確定日ではありません。
Q2. 日本からの直行便はロンタインに着きますか?
現行の移管計画をそのまま適用すれば、日本路線は第3段階(2027年10月30日開始の冬ダイヤ)の対象になると読み取れます。ただし日本路線を名指しした決定ではなく、第1段階から航空会社の判断で前倒し移管も可能です。2026年12月以降は予約のたびに発着空港を確認してください。
Q3. ホーチミン中心部からどのくらいかかりますか?
車で約40〜43kmの距離です。現地報道では道路状況が良ければ40〜50分との試算がありますが、商業運航前のため実績値ではありません。開港初期は1時間以上を見込むのが安全です。2030年に鉄道が完成すれば20〜25分になる計画です。
Q4. タンソンニャット空港は廃止されますか?
廃止の計画はありません。2025年に新ターミナルT3が完成して処理能力が年間5,000万人に増えており、国内線と、ベトナム系航空会社が運航する1,000km未満の定期国際線を担う空港として使われ続けます。
Q5. 航空券の予約で気をつけることはありますか?
IATAコードの確認です。ロンタインは「LTH」、タンソンニャットは「SGN」ですが、どちらも都市名は「Ho Chi Minh」で表示されます。安い便を選んだ結果、中心部から40km離れた空港に着くケースがあり得ます。
Q6. 新空港ができることで、レタントンやファンビッチャンなど日系飲食店街に影響はありますか?
直接的な影響は限定的だと考えられます。これらのエリアは空港へのアクセスではなく、日本人の在住者が第1区・フーニュアン区の周辺に多く住み働いていることを土台に発展してきたためです。ホーチミン市がトゥーティエムに整備している新しい行政センター(2026年4月着工、約8,000人が勤務予定)のほうが、外食需要という点では影響が大きいと見られますが、これも空港ではなく行政機能の移転が主因です。
Q7. 新空港で日本産食材の仕入れは楽になりますか?
現時点では判断できません。年間120万トンの貨物能力や自由貿易区構想により条件が改善する余地はありますが、輸送コストは便数・貨物スペース・通関実務などで決まります。また日本産の食肉・水産物・青果には検疫や食品安全の要件があり、自由貿易区ができても免除されません。
8. まとめ
ロンタイン国際空港について、押さえておきたいポイントを5つに整理します。
- 2026年12月1日に商業運航開始予定。ただし国際線の移管は3段階で、完了は2028年3月末までかけて進みます。
- 現行計画から読み取ると、日本路線は第3段階(2027年冬ダイヤ)の対象。ただし前倒しもあり得るため、2026年12月以降は予約のたびに発着空港の確認を。
- タンソンニャットは廃止されません。ただしSGNに残る国際線は「ベトナム系航空会社の1,000km未満の定期便」に限られ、外国系の近距離便はロンタインへ移り得ます。
- 移動時間は片道1時間を前提に。接続道路は開通と本格運用の間に差があり、鉄道は2030年目標ですが計画は流動的です。
- 既存の日系飲食エリアへの直接的な影響は限定的。レタントン・ファンビッチャンは在住日本人の生活圏が土台であり、空港との距離では左右されません。強いて動きを挙げるなら、トゥーティエムの行政センター整備(空港よりも人の流れへの影響が大きい)です。
繰り返しになりますが、ここに書いた日程はいずれも2026年7月30日時点の計画値です。開港前後は特に情報が動きますので、最新の発表とあわせてご確認ください。
新空港の開業は、進出を前倒しする理由にも、待つ理由にもなり得ます。どちらが正しいかは業態・資金規模・狙うエリアによって変わります。
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▽この記事の監修者
フードコネクションベトナム 林 吉祥
映像制作・フロントエンドエンジニア・WEBデザイナーを経て、2014年よりベトナムへ。
現地法人の立ち上げから携わり、4名の組織を40名まで育てたマネージャー。
長年のホーチミン生活で培ったリアルな視点から、現地の気づきを発信していきます。

