ベトナム飲食店進出・法人設立重要用語集|IRC・ERCからサブライセンスまで徹底解説
フードコネクションベトナムディレクターの親盛です。現在、私はベトナムのホーチミンを拠点に、日系飲食店様の海外進出支援やマーケティング業務に携わっています。
日々、多くの飲食店経営者様と海外・ベトナム進出の相談を受ける際によく聞かれるのが、「法人設立に関する用語が難しすぎる」「IRCとERCて何が違うの?!」といったご質問を受けることがあります。
そこで本記事では、ベトナム飲食店進出を検討する飲食店様が一度は耳にする法人設立用語集を紹介します。法人設立から飲食店取得ライセンス取得時に必ず知っておくべき重要ポイントを徹底解説します。
【法人設立・投資関連】
ベトナムで会社を作る際に避けて通れない、最重要の法的用語です。IRC、ERCなどベトナムで法人を設立する際には必須の用語もありますのでぜひ一度ご確認ください。
- 1、IRC(Investment Registration Certificate / 投資登録証)
- ベトナム政府から「外資による投資」を許可されたことを示す証書。法人設立の第一歩。
- 2、ERC(Enterprise Registration Certificate / 企業登録証)
- 日本の「登記簿謄本」に相当。IRC取得後に発行されこれをもって法人格が認められます。
- 3、定款資本(Charter Capital)
- 株主が払い込むことを約束した資本金。ERC発行から90日以内の払込義務があります。
- 4、総投資資本(Total Investment Capital)
- 定款資本に「借入予定額」を加えた総額。IRCに記載され将来の送金限度額に影響します。
- 5、DICA(Direct Investment Capital Account / 直接投資資本金口座)
- 投資金や配当金をやり取りするための専用口座。通常の経常口座とは別に開設が必須。
- 6、事業目的(Business Lines)
- 会社が営む事業範囲。飲食店の場合「飲食サービス業(VSICコード 5610)」登録が必要。
- 7、法定代表者(Legal Representative)
- 会社を代表して署名権限を持つ人物。ベトナムに居住する義務があります。
- 8、ノミニー(Nominee / 名義借り)
- ベトナム人名義で会社を建てること。外資規制を回避するためによく使われますが、乗っ取りリスクがあり推奨されません。
【物件・不動産関連】
店舗物件を借りる際に使われる実務用語です。ベトナムの最大の特徴は「家賃の値上がり」です。大家、不動産業者と交渉する前に基本的な用語は把握しておきましょう。
- 1、Handover(引き渡し)
- 物件がオーナーから借主に渡されること。スケルトン状態か居抜き(Transfer)かを確認。
- 2、Fit-out(内装工事)
- 内装仕上げのこと。ベトナムの賃貸物件は基本的に「スケルトン(骨組み)」での引き渡しが多いです。
- 3、フリーレント(Rent Free Period)
- 内装工事期間中など、家賃が発生しない猶予期間。通常1ヶ月〜3ヶ月程度交渉可能です。
- 4、保証金(Security Deposit)
- 通常、家賃の3ヶ月分程度を預けます。退去時の返金トラブルが多いため注意。
- 5、公証(Notarization)
- 契約書を公証役場で認証すること。長期の賃貸借契約では法的に必須となる場合があります。
【許認可・ライセンス関連】
飲食店が営業を開始するために必要なサブライセンスです。ベトナムで飲食店を開業するにはライセンスは必須です。外資or内資で取得費用も期間も異なりますでのご注意ください。
- 1、食品安全証明書(Certificate of Food Safety / 衛生許可)
- 保健局が発行。厨房設備やスタッフの検便、衛生教育が審査対象。
- 2、酒類販売ライセンス(Alcohol Retail License)
- アルコール度数に関わらず、店内で酒類を提供するために店舗ごとに取得が必要。
- 3、消防適合証明書(Fire Safety Certificate)
- 近年、ベトナムで最も取得が難航している許可。これがないと営業開始できません。
- 4、環境保護誓約書(Environmental Protection Commitment)
- 排水やゴミ処理が環境基準を満たしていることを報告する書類。
【税務・会計関連】
ベトナム特有の税制や会計ルールです。
- 1、VAT(Value Added Tax / 付加価値税)
- 消費税に相当。飲食は通常10%(時限的に8%に減税される場合あり)。
- 2、レッドインボイス(Red Invoice / 電子請求書)
- 税務署認定の正式な領収書。現在は全て電子化(E-Invoice)されています。
- 3、CIT(Corporate Income Tax / 法人所得税)
- 標準税率は20%。利益に対して課税されます。
- 4、PIT(Personal Income Tax / 個人所得税)
- 給与にかかる税金。駐在員は全世界所得が対象になる場合があります。
- 5、会計監査(Auditing)
- 外資系企業は、毎年必ず外部監査法人による決算監査を受ける義務があります。
【労務・ビザ関連】
スタッフの雇用や日本人の滞在に関する用語です。テト賞与など日本とは異なるボーナスもありますのでご注意ください。
- 1、労働許可証(Work Permit)
- 外国人がベトナムで合法的に働くための許可。大卒・3年以上の経験証明が必要。
- 2、TRC(Temporary Residence Card / 一時居住カード)
- ビザの代わりとなる居住許可証。これがあるとビザなしで出入国が可能になります。
- 3、SHUI(Social, Health, Unemployment Insurance)
- 社会保険・医療保険・雇用保険。雇用主と従業員の双方で負担します。
- 4、13ヶ月目の給与(13th Month Salary)
- テト(旧正月)前に支払われる慣習的なボーナス。事実上の義務に近いものです。
- 5、テト(Tet / 旧正月)
- ベトナム最大の祝祭。飲食店にとっては「スタッフが帰省して戻ってこない」最大のリスク期。
【運営・その他】
- 1、POSシステム
- レジ管理システム。ベトナムの税制(電子請求書)に対応したものを選ぶ必要があります。
- 2、GrabFood / ShopeeFood
- ベトナムの二大デリバリープラットフォーム。売上の3割程度を占めることも。
- 3、サービス料(Service Charge)
- メニュー価格とは別に5%程度徴収することが多い。VATの計算対象になります。
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▽この記事の共同監修者
フードコネクションベトナム / グローカルコネクション
親盛 龍斗
沖縄県出身。飲食店のWEB/販促/ブランディングに関するディレクターを経験後、2025年7月よりベトナムに赴任。自らもインフルエンサーとして情報発信をしながら、日本の飲食店のベトナム進出支援を中心に海外進出を検討する飲食店を支援している。